今度は“他人の健康”気になりだしたホリエモン 「ピ」予防の重要性語る
周囲の人たちが幸せの方が自分も幸せ
とはいえ、実業家として稀有な実績を持つ堀江氏が動き出した以上、その背景にはもちろん“ビジネス的にコミットできる”という側面もあるのではなかろうか。 同書の中では「何も関係ない僕が、他人の健康を心配して語るのだ」と記されている部分もあり、ともすれば優等生的な発言とも受け取れる。 だが、堀江氏は「普通じゃないですか。僕は良いものがあったら人に伝えたくなるんですよ。例えばおいしいお店があれば『行きなよ』という感じ。周囲の人たちが幸せの方が自分も幸せになれるじゃないですか」とあくまで自身のポリシーであることを強調する。 そのうえで、一実業家としてではなく、大局的見地から「予防医療」の有効性を示す。 高齢化が進む日本において莫大な医療費が財政を圧迫し、「国民皆保険制度」の破たんが目に見えている現状に対して、「予防医療」は非常に効果的な打開策だというのだ。 「人間ドックや健康診断は保険がきかないからお金がかかるという意見はありますが、そのくせ多くの人は医療保険や高額ながん保険に入っていたりしますよね? それを考えれば、検診に行った方がコストパフォーマンスはいいと思います」と断言する。
世の中の不便や不満を解決したいだけ
これまでIT業界、宇宙開発事業などさまざまなジャンルでその才能を発揮している堀江氏だが、「別にどこかを目指しているわけではないんです。ただ、世の中の不便や不満を解決したいだけ。“不”をなくしたいだけです」と涼しげに語る。 「予防医療」の有効性を提言する堀江氏が、日本の医療業界にどんな影響をもたらすのか、興味は尽きない。 (取材・文・写真:磯部正和)