「バレたら退去?」都市部で頻発の“猫のコッソリ飼育”、9年飼っている実例をもとに弁護士が解説
都市部で意外に多いのが、ねこのコッソリ飼育。NGなことはわかっているけど、ねこの魅力にあらがえずに飼い始めたものの、色々と問題はあるようです。実際に飼っている40歳男性と弁護士にお話をお聞きしました。 【写真】ペット禁止のマンションで9年間、飼われている黒猫 約9年前、知人が拾った生後推定1か月・オスのこねこを譲り受けたAさん。ねこを飼いたいとは思っていたもののペット不可物件に住んでいたため、いずれ引っ越してから……とほとんど諦めていた。
こねこのかわいさについ“衝動飼い”してしまった
「でも、こねこの写真を見てしまったらもう我慢できなくて。すでに数年住んだ部屋でしたし、ラッキーなことに片側の隣室には人が住んでおらず、倉庫のような使い方をしていることがわかっていたので、思いきってお迎えしたんです」 Aさんが住んでいるマンションは、築約40年、6階建てで60戸ほどの鉄筋コンクリート造。出入り口はオートロック式ではないが、日中は週に3日、管理人がいる。出入り口はメインエントランスと他2か所、エレベーターには監視カメラがある。 「道端に一匹でいたところを拾われたようで、おそらく野良猫のお母さんとはぐれてしまったんだろうとのことでした。となると、すぐにでも病院で健康状態を診てもらう必要があります。 そこでさっそく壁にぶちあたりました。キャリーに入れるとピャーピャー鳴くので、初めてマンションを出入りするときはすごくドキドキしました」 動物病院に連れて行くときは、なるべく人に会わないように、カメラに映らないように。エレベーターとメインエントランスは使わず、監視カメラがない棟の端の階段を、5階の部屋から駆け下りては駆け上がる。 こねこのうちはまだよかったが、その後、体重6.5キロのガッチリ系オスねこに成長したため、キャリーケースもサイズアップして、今では大きめのトートバッグでキャリーケースを覆い隠して出入りしている。 子育てに奮闘しながらねこバレにおびえる日々 受け入れ当初は手にのるほど小さく、まだ授乳期。数時間ごとに哺乳瓶でねこ用ミルクをやり、その後は離乳食に移行した。 そんな“子育て”の苦労とともに、ペット不可物件にこねこと暮らすのも想像以上に大変だった。 「お腹がすくと夜中でも朝方でも関係なく、ごはんをくれ~って大きな声で鳴くので、育児ノイローゼになりそうでしたね。そのたびにご近所に聞こえているんじゃないかと心配で仕方ありませんでした」