進捗3割、工期延長へ 名瀬港旅客ターミナル 完成時期、総工費は未定に
鹿児島県事業の名瀬港旅客ターミナル新築移転計画に伴う、新たなターミナルビル(延べ床面積1905・4平方メートル)の建設工事が進んでいる。12月末時点の進捗(しんちょく)率(事業費ベース)は30%を見込む。工事の進捗に遅れが生じたため、今後工期延長が予定されており、当初示されていた来年7月の完成時期はずれ込むことが想定される。 県によると、現ターミナルは1975年に完成。2階建てで1階は1号貨物上屋(保管場所)、2階が旅客待合所。南側に別棟の2号貨物上屋がある。現施設の老朽化に伴って整備する新ターミナルは2024年4月に着工。現ターミナルと2号貨物上屋の間に建設している。 新ターミナルは鉄筋コンクリート3階建てで、1階には管理事務所や発券所、観光案内スペース、2階に売店など店舗用スペースを設ける。1、2、3階とも待合所として利用できるようにする。多目的トイレやエレベーター、エスカレーター、乗降客用スロープなど、バリアフリーに配慮した整備も行う。延べ床面積は現待合所の約1・4倍になる。 また、フェリーによって出入り口の高さが異なることから、船体備え付けの階段を使わず移動できるよう、ボーディング・ブリッジと直接つながる乗降客用通路を2、3階にそれぞれ設置する。新ターミナル完成後に現ターミナルを解体し、跡地に新たな貨物上屋を建てる。 県大島支庁建設課によると、当初の工期は来年7月2日を予定していた。工期の延長幅は決まっておらず、当初約8億8千万円だった総工費は工期延長に伴い、延長後の額は未定としている。 同課の増田貴文課長は「新ターミナルは現施設にないエスカレーターなどが整備され、快適に使うことができる施設。観光案内スペースも併設することで、海の玄関口として観光客により分かりやすく島の魅力を案内できたら」と述べた。