「手足口病の子を段ボール箱で隔離」は間違っている? 医師の見解と保育士の本音を聞いてみた
手足口病が法律によって出席停止の対象になっていない理由
Q3: 手足口病にかかった子どもの登園・登校についてはどのように判断すべきでしょうか? 五藤医師「日本の学校保健安全法では、手足口病は出席停止の対象疾患に指定されていません。そのため、原則として登園・登校に制限はかかりません。これは、多くの場合、手足口病が軽症で自然治癒するためです。 しかし、お子さんの全身状態を考慮して判断することが重要です。具体的には以下の点に注意して判断してください。 1. 高熱が続いている場合 2. 口内の潰瘍が痛くて食事や水分摂取が難しい場合 3. 強い倦怠感や不機嫌が見られる場合 これらの症状がある場合は、お子さんの体調回復を優先し、自宅での静養をおすすめします」
大人は子どもより重症化することがある
五藤医師「手足口病は主に子どもがかかる病気ですが、免疫力が低下している大人が子どもとの接触によって感染することもあります。大人が感染した場合、子どもよりも症状が重くなることがあります。 具体的な症状としては: •手足に強い発疹が現れる • 関節痛を伴う •強い倦怠感を感じる などが挙げられます。特に、免疫力が低下している場合(妊娠中や慢性疾患がある場合など)は、合併症を引き起こすリスクもあるため、早めに医療機関での診察を受けることをお勧めします」
保育士の本音「保育園が子どもを預かれなくなってしまう」
一方で現場の保育士の方は手足口病への対応について議論されている内容について、どう感じているのでしょうか? 東京都内で勤務する保育士の方の意見をお聞きしました。 「保育士の本音としては欠席して欲しい。でも、親は手足口病で休んでと言われるより預かってもらえる方が助かっているのが現実。当事者以外の方の声が大きくなって、保育園が世論に従い預からなくなる方が社会問題だと思います。 子どもから先生がうつされて先生が休みになったら園が回りません。運営の事を考えると手足口病の子を受け入れるのはリスクが高いです。 行政が今回の件で指導をするということであれば、一方で病児保育をもっと増やすべきでは? 全てを園に押し付けられるのは苦しい。現場を見てほしい」 現場の保育士に感染が広がってしまうことで、通常の園の運営に支障が生じてしまえば、他の園児の預かりにも影響が出てしまうことも考えられます。