原作を解釈して役作り。王子様のルックスに努力の裏付け【王子様の推しドコロ】|JJ
誰もが知る作品を自分らしい解釈で
着実に主要な役を経験し、7月にはついにこどものためのバレエ劇場2024『人魚姫』の王子様役を踊る。この作品は世界初演。ファンも楽しみにしていますが、どんな作品なのでしょうか? 「アンデルセンの童話をモチーフにした演劇性の高い作品です。誰もがなじみのあるストーリー、ドビュッシーやタイスなどの聞き覚えのある音楽、ロマンティックでありながら男性がトウシューズを履くおもしろさや新鮮さもあり、1時間40分があっという間に感じられます。バレエが好きな人はもちろん、初めて見る方にもおすすめの作品です」 中島さんは王子様をどんなアプローチで踊るのでしょうか。 「世界初演でお手本がないので、まずはアンデルセンの原作を読んで役作りをしています。人魚姫の王子様は若くてピュア。純粋すぎて、婚約者がいても人魚姫と恋に落ちることを悪いことだと感じていないんです。無垢で品格があり、そして少年っぽさを大事に自分らしい王子様を踊れたらと思っています。1幕のパ・ド・ドゥはロマンティック、2幕のパ・ド・ドゥはドラマティック。甘さと激しさを演じ分けながら踊るつもりです。『こどものためのバレエ劇場』ですが、ロマンティックなラブストーリーかつ、人魚姫が人間社会に足を踏み入れて体験するこの世の不条理などメッセージ性もある作品。映画を観るような感覚でぜひ観ていただきたいです」(こどものためのバレエ劇場2024『人魚姫』ビジュアル 米沢唯、速水渉悟)
中島さんの姿を見られるのは……こどものためのバレエ劇場2024『人魚姫』新国立劇場 オペラハウス(2024年7月27日~30日) アンデルセン童話『人魚姫』をモチーフにした世界初演の新作バレエ。演出・振付は新国立劇場で22年間ダンサーとして活躍した新進気鋭の振付家・貝川鐵夫氏。人間の世界に憧れた人魚姫の恋の喜び、悲しさ、世の不条理を描き、ドビュッシー、サティ、メンデルスゾーンなど19世紀に活躍した作曲家の音楽を多用し、美しく幻想的な世界に誘います。中島さんは、7月28日(日)13:00~、7月29日(月)16:30~(新国立劇場 オペラハウス)の回に王子様役で出演予定。 取材・文/味澤彩子