午前のフリー走行1回目ではトップタイムをマークした中上貴晶（ホンダ・イデミツLCR）／2024MotoGP第20戦ソリダリティGP

　11月15日、2024年MotoGP第20戦ソリダリティGPの初日セッションがスペインのカタロニア・サーキットで行われた。中上貴晶（LCRホンダ・イデミツ）は、フリー走行1回目でトップタイムをマークし、午後のプラクティスを12番手で終えている。 【写真】中上貴晶（ホンダ・イデミツLCR）／2024MotoGP第20戦ソリダリティGP 初日 　10月末にスペイン・バレンシア州を襲った豪雨と洪水により、リカルド・トルモ・サーキットで予定されていた第20戦バレンシアGPの開催を断念。代替地として同国バルセロナ州のカタロニア・サーキットが選ばれ、ラウンド名に団結や連帯を意味する“Solidarity”を冠した最終戦が開催されることとなった。 　初日午前のフリー走行1回目は、気温13度、路面温度14度と低温のコンディション。セッション開始から5分過ぎに他ライダーのクラッシュにより赤旗が掲示された。約10分の中断ののち、現地時間11時に残り約39分でセッションは再開する。 　序盤は多くのライダーが様子を見ながら周回を重ねていき、中上も10分ほどタイヤを暖めながら慎重に走行したのち、アタックを実施。1回目のランでは、1分41秒322の9番手タイムを残した。 　セッションが折り返しを迎え、中上は残り20分を前に2回目のランへコースイン。同じタイヤでさらに周回を重ねる中上だったが、2コーナーで転倒を喫してしまった。幸い怪我はなく、終盤にコースへ復帰する。 　残り4分にタイムアタックへと入った中上は、1分40秒970で4番手タイムを刻むと、翌周には1分40秒501と2番手に0.411秒差のトップタイムをマーク。最後までそのタイムを上回るライダーは出ず、中上は幸先のいいトップ発進となった。 　午後のプラクティスは、気温16度、路面温度21度と少し上昇したものの、日が傾きつつあるなかで始まった。セッション序盤は、ソフト／ミディアムでコースインすると、開始10分ほどでピットへと戻る。 　その後もタイヤの評価をしているようなショートランを繰り返し、前後ソフトでコースインした3回目のランでは、ガレージに戻る前にアタックを行い、1分40秒642の13番手タイムを記録し、セッション後半へ入った。 　終盤に差し掛かった残り15分、中上は、4回目のランでいきなり1分39秒880の6番手タイムを刻むと、残り9分ごろにチームメイトのヨハン・ザルコ（カストロール・ホンダLCR）が1分39秒197でトップタイムをマーク。ホンダのマシンにポテンシャルがあることを示した。 　セッション最終盤には予選Q2にダイレクト進出のためにアタック合戦が繰り広げられ、中上も1分39秒756と自己ベストを更新。しかし、他のライダーも更新していき、最終的に10番手から0.289秒差の12番手でプラクティスを終えた。 　フリー走行1回目ではトップタイムを刻み、プラクティスでも予選Q2ダイレクト進出に迫るなど、路面温度が低くグリップの少ないトラックでも中上は速さを見せた。僚友のザルコも好タイムを記録しており、予選Q1を突破の可能性も考えられる。 　フルタイムのMotoGPライダーとして、中上のラストレースとなるソリダリティGP。週末を通して難しいコンディションになると考えられるが、中上のフリー走行1回目のような走りが2日目以降も見られることに期待したい。 ■LCRホンダ・イデミツ 中上貴晶（FP1：1番手、プラクティス：12番手） 「今日、自分がこのポジションにいることに満足しています。午前中に1位を記録し、素晴らしい週末のスタートが切れました。午後は難しい展開になると分かっていましたが、リヤのグリップ不足にも関わらず、トップ10に近い結果を残せたのは良いことです。この調子で努力を続け、明日の展開に期待したいと思います」 [オートスポーツweb 2024年11月16日]