デートでおごらせるのは「DV」と内閣府が認定で“デート代論争”再燃…内閣府の担当者に真意をきいてみた
「以前からある」資料だった
――《デート費用を全く払わない》は、男女問わず「デートDV」に当たりますか? 性別にかかわらず「デートDV」に当たると考えております。男性に支払わせる場合だけを指しているわけではありません。結局はご本人同士の関係性かと思います。 ご本人たちが本当にそれでいいと思っているのであれば、それが当人同士の関係性なので、例えば男性側がデート代を支払いたいと思い、女性側もそれに相応の感謝をしていれば良いのかと思います。 ――《デート費用を全く払わない》という項目を入れたのはなぜですか? 「デートDV」を含むDVは、配偶者か交際相手という違いはありますが、一般的に「殴る」「蹴る」といった身体的暴力というイメージが強く、「殴ったり蹴ったりしていないからこれはDVではない」と思っている方もまだいると思うんです。 ここで紹介した趣旨としては、そういう身体的なものだけでなく、精神的なもの、例えば「罵(ののし)る」や「バカにする」「束縛する」もDVですし、性的なものや経済的なものもDVにあたるということを周知したいという考えからです。 そういった例をいくつか紹介しているなかのひとつに《デート費用を全く払わない》も挙げられるということです。 一方的に支払っているのが本当は嫌なのに、相手に言えないでいるということは「デートDV」またはDVにあたるということです。 前提として「対等な関係を築いていきましょう」「健全ですり合わせができる関係を築きましょう」という結論を男女共同参画局のサイトではお伝えしています。 この資料はここ1、2年で作成されたようなものではなく以前からあるのですが、今回のXの投稿を拝見し、SNS上で《デート費用を全く払わない》だけ切り取られてしまうとは考えておりませんでした。 ――《デート費用を全く払わない》という項目を含め、サイトでDVとして挙げられているものは、実際の被害の声を取り上げたものですか? 各都道府県でご相談をいただく中で挙がってきた声や、男女共同参画局が3年に1回実施している「男女間における暴力に関する調査」(直近では令和5年の調査)で被害に遭った方からの話を踏まえ、事例が多いものをピックアップさせていただきました。 ※ 男女問わず、相手の意に反し「デート費用を全く払わない」ことは「経済的な暴力」であり、「デートDV」にあたるという。 令和にアップデートされた価値観は再度、「デート代論争」に一石を投じることとなった。 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
集英社オンライン編集部ニュース班