藤井聡太竜王「早い段階で形勢を苦しくしてしまった」…竜王戦第4局・大盤解説会
第37期竜王戦七番勝負(読売新聞社主催、特別協賛・野村ホールディングス)の第4局は16日、挑戦者の佐々木勇気八段が藤井聡太竜王に勝利した。大阪府茨木市の複合施設「おにクル」で行われた大盤解説会には1000人を超える将棋ファンが集まり、登壇した両棋士に大きな拍手が送られた。(阪悠樹) 【地図】大阪府
大盤解説会では山崎隆之八段が解説を、市出身の佐々木海法女流初段が聞き手を担い、市特別観光大使で将棋好きのお笑いタレント、ヤナギブソンさんもステージに上がった。
山崎八段は藤井竜王の強さを「持ち時間が残り10分の状況でも逆転する」と言及。佐々木八段の戦い方について「藤井さんを追い詰めるため、『早く指す』ことを決めている」と語った。午後3時45分、藤井竜王が投了すると、会場では激戦を終えた両棋士をたたえる拍手が起きた。
午後4時頃、対局を終えた両棋士が登壇。藤井竜王は「早い段階で形勢を苦しくしてしまった」と振り返り、「気持ちを切り替え、第5局に向けて準備をしたい」と語った。佐々木八段は「なんとか2勝2敗にでき、12月までシリーズを楽しめることになった。モチベーションを上げ、また頑張りたい」と意気込みを見せた。
待望の茨木対局が終わり、大盤解説会を見た地元の将棋ファンらも一様に満足そうな表情を浮かべた。市内の主婦(44)は「将棋は初心者だけど、最後まで飽きずに楽しめた」と表情をほころばせた。将棋教室に通う市内の小学6年生(11)は「プロ棋士の解説が勉強になった。自分が指すときの参考になりそう」と話した。
府外から訪れた人もいて、藤井竜王のファンだという東京都中央区の参加者(77)は「負けたのは残念だけど、『勝負めし』もおいしかったし、遠方から来て良かった」と話した。
地元の盛り上げに力を注いできた日本将棋連盟茨木支部長の村上幸隆さん(69)は「市民が一つとなって夢中になれた2日間だった。竜王戦を機に、将棋に興味を持った人もいると思う。再び茨木でタイトル戦が開催されるよう、今後も普及に取り組みたい」と述べた。
第5局は27、28日に和歌山城ホール(和歌山市)で行われる。
【関連記事】
- 藤井竜王は赤紫蘇サイダー注文、頼んだドリンクは人気商品に…佐々木八段は「貴族級」の薔薇6連投を達成<七番勝負第4局・藤井聡太竜王-佐々木勇気八段>
- 辛さに強い藤井聡太竜王は「おにカレー」、佐々木勇気八段「薔薇すし」連投…竜王戦2日目「勝負めし」
- 藤井竜王が大サービスの「おにクル」ポーズ披露、歩き姿を見つめた佐々木八段「映画のワンシーンみたい」<七番勝負第4局・藤井聡太竜王-佐々木勇気八段>
- 仁和寺決戦を制した藤井聡太竜王のスナイパー二枚角…「視覚の外から寄せられた」佐々木勇気八段が脱帽した規格外の射程[指す将が行く・竜王戦第3局]
- 藤井聡太竜王はパイコー担々麺、汁の飛ぶ食事は着替えてから…佐々木勇気八段のメニュー外注文は2日目も