<ボルテスV>フィリピンで人気の理由 アニメへのリスペクト、愛を込めた実写版 マーク A. レイエス V監督インタビュー
フィリピンでも屈指の“ボルテスVオタク”というレイエス監督は「長年、監督をやってきましたが、キャリアが熟してきた2000年代に“夢の企画”を考えました。それが『ボルテスV』の実写化だったんです」と語るほど「ボルテスV」の実写化は念願だった。
◇愛する作品なのでアレンジしない
「ボルテスV」はフィリピンでは誰もが知る人気作のようだが、2020年代の作品にするためにアップデートしようとした。
「クラシックな作品ですし、ハリウッドのSF、アクション大作を見ている今の観客に訴求する作品を作らないといけません。フィリピン人にとって誇りに思える作品にしながら、日本の皆さんに見せて恥ずかしくないものにもしないといけない。CGや衣装のデザインなどにこだわって制作しました。ストーリーも膨らませているのですが、特にこだわったのがボアザン星人の話です。この星はどんな文化を持っているのか?などを膨らませています」
ボルテスVのデザイン、バトルシーン、変形シーンなどもアップデートしようとした。
「スタッフがみんなファンなんです。ファンが集まって作っているのだから、相当こだわっています。2次元を3次元にしないといけないので、難しさがあります。腕を一つ動かすにしてもアニメのように自由自在に動かすことはできません。CGを精密に作りました。合体のシークエンスを見た時は感動しました。精密なデザインなので、玩具化するのは大変だったと思います」
堀江美都子さんが歌ったオープニング主題歌「ボルテスVの歌」のカバーが流れるのも印象的だ。フィリピンの歌手が日本語でカバーした。
「最初はタガログ語や英語にしたのですが、フィリピンでは日本語のオリジナルが愛されています。カラオケでもトップ10に入るくらい人気です。それなら、別に変える必要はないのでは?となりました。日本語で覚えている人も多く、歌詞の意味も何となく分かっています。だから、日本語にしました」