<ボルテスV>フィリピンで人気の理由 アニメへのリスペクト、愛を込めた実写版 マーク A. レイエス V監督インタビュー
1970年代を中心に人気を集めたロボットアニメ「超電磁マシーン ボルテスV」をフィリピンで実写化した映画「ボルテスV レガシー」が10月18日に公開される。「超電磁マシーン ボルテスV」は、1977~78年に日本で放送された伝説のロボットアニメ。フィリピンでは、日本以上に熱狂的な支持を受けているといい、実写版が制作された。海の向こうで何が起きているのか? 実写版を手掛けたマーク A. レイエス V監督に聞いた。 【写真特集】令和によみがえる「ボルテスV」 フィリピン実写版 ビジュアル一挙に
◇「ボルテスV」は民主主義の象徴
「超電磁マシーン ボルテスV」は、主人公・健一ら剛三兄弟、峰一平、岡めぐみの5人が、合体ロボット・ボルテスVに搭乗し、地球に飛来したプリンス・ハイネル率いるボアザン星の侵略軍と戦う姿が描かれた。親子の離別、主人公をめぐる衝撃的な展開、異母兄弟との対決、圧政への抵抗や革命などが描かれ、ドラマ性の高さが海外でも高く評価された。
実写版は、フィリピンのテレサクセス・プロダクションズが制作し、地上波テレビ局・GMAネットワークで放送された。映画と全90話のテレビシリーズが制作された。テレビシリーズは2023年に全話がフィリピンで放送された。10月18日に公開される「ボルテスV レガシー」は、フィリピン版映画「Voltes V: Legacy Cinematic Experience」には含まれないシーンを追加し、再編集した“超電磁編集版”となる。フィリピンの制作陣が日本公開のために再編集を行い、全編をリマスターし、CGのクオリティーを向上させた。字幕版、吹替版が公開される。
日本でロボットアニメと言えば「マジンガーZ」や「ガンダム」シリーズなどの方がメジャーかもしれない。しかし、フィリピンでは「ボルテスV」が圧倒的に人気だという。
「フィリピンでは1978年に放送が始まったのですが、私はその時から見ていました。フィリピンでは一番人気のアニメです。フィリピンでは平日の午後に何かしらのアニメを放送していましたが、その中でも抜きんでた人気でした。ストーリーがほかのアニメと違うんです。『ボルテスV』は家族の物語です。フィリピンは家族を大事にする国なので、社会の価値観と親和性が高かったんです。1980、90、2000年代と何度も再放送されています。戒厳令下で放送が中止になったこともあります。その後、再び放送されることになり、民主主義の象徴にもなりました」