多くの人が気付かない爆速アウディRS6アバントGTの真の価値
世界限定660台。速さと上質感の塊という先進性
「史上最高のスペック」。この一文は新型アウディRS6アバントGTの日本語翻訳版プレスリリースの見出しです。本国発表の英語版の記述は「When a model reaches its maximum」。個人的意訳は「100年に一度の大変革に贈る内燃機搭載モデル最高峰のアバント」となります。 【画像】多くの人が気付かない爆速アウディRS6アバントGTの真の価値
アウディはなぜアバントにこだわるのか? そもそもアウディってステーションワゴンを作っている認識が感じられません。ラゲッジの造りこみなど相応に工夫はあるのですが、A4もA6もシリーズの頂点はセダンではなくアバント。最高額モデルは弩級のパフォーマンスをもつパワートレインを搭載します。
そもそもなハナシをすれば命名がアバントってとこが原点になるのですが、コレは「Avantgarde」(前衛的)が語源のフランス語「Avant」(前進する、先進の)に由来します。さらにモデル名に「RS」の二文字が加われば「アウディスポーツGmbH」謹製のアスリート仕立てとなり、エンジンとシャーシ、そしてサスペンションまで別モノに早変わり。その走りは質感・動力性能ともに圧倒的。
さらに注視したいのはA4含む上級車クラスは縦置きエンジン用プラットフォームを採用する点にあります。乗用タイプのクルマにフルタイム四輪駆動システム「クワトロ」を採用するのは言わずもがな。ですが、WRCで金字塔を打ち立てたそのヨンクも後輪駆動ベースで考えられている点を見逃すわけにはいかないのです。
ちなみにカタログモデルとは異なり、コチラは世界限定660台の希少モデル。発案そのものは往年の「90 クワトロ IMSA GTO」をオマージュしたとあるのですが、個人的には変態エンジニアが「社内倫理を通すにはこのストーリーしかない!」と考え、決済件ある役員は「大変よくできた方便に感動した!」と書類にサインしたであろうと妄想します。
デリバリーは2024年第2四半期から。現在、日本導入台数と日本価格は不明ながら本国プライスは21万9585ユーロから。オプションで電子制御サスペンションも選べるそうですが、ワタシなら末永く動態保存したいのでコンベンショナルな3段切替え式を選びます。画像見て察することができる方だけ買ってください。お願いします! Text:Seiichi Norishige
教重 誠一