報酬引き上げは必要? 地方議員「なり手不足」対策 若手の報酬優遇巡って賛否の町議会 若手だけ月額30万円に上げた村議会では見直しの動きも 背景に村民の厳しい目
全国各地で課題となっている地方議員の「なり手不足」。解決策の一つとして報酬を引き上げる動きがあります。若手を募るため、年齢で「差」をつけようとする自治体もありますが、一筋縄ではいかないようです。長野県飯島町と生坂村を取材しました。
■「議員報酬一律引き上げ」一部反対
飯島町・唐沢隆 町長: 「議員の月額報酬を改めるため、関係条例を改定するものです」 12月6日に開会した飯島町の12月議会。町は議員の月額報酬を現在の19万8000円から一律21万5600円に引き上げる条例改正案を提出しました。 しかし… 飯島町・片桐剛 議員: 「(町民の)アンケートでは、一律増額との声は皆無であったことから、住民の意見に反している」 一部議員は町の提案に反対しています。
■なり手不足対策に若手優遇を陳情
人口8800人余りの飯島町。少子高齢化が進み、多くの地方自治体のように議員の「なり手不足」に悩んでいます。 現在、12人の議員のうち、30代・40代は3人にとどまり、60代以上が9人。こうした中、若手議員が増えてほしいと、2020年に住民が「55歳以下の報酬増額」を陳情しました。 議会では意見が分かれましたが、最終的には「59歳以下の引き上げ」など3つの案を町に提案しました。
■町は「一律の引き上げ」の答申
ところが、町の審議会は議論の結果、「近年の物価高騰」などから「一律の引き上げが妥当」と答申しました。 町はこれに沿った条例改正案を提出しましたが、一部の議員は「これでは若手を募ることができない」と反発しています。 飯島町・片桐剛 議員: 「議員全体が高齢化しているという中で『議会活性化を図ってくれ』という住民意見から、議会はそれを受けとめまして、何とか改正をしていかなきゃいけないと。今回その意図ではなかったというところで議案を提出した」 片桐議員ら2人は30歳から59歳に加算する修正案を提出。他の2人の議員も年収に基づき、200万円未満の議員に報酬を加算する修正案を提出しました。