報酬引き上げは必要? 地方議員「なり手不足」対策 若手の報酬優遇巡って賛否の町議会 若手だけ月額30万円に上げた村議会では見直しの動きも 背景に村民の厳しい目
■議会最終日に議決へ
町民は… 40代: 「年配の方も上げて、若い人はもう少し上げるみたいな感じがいいのかな」 60代: 「町会議員さんみんな同じことされているので、そこで給料に差が付くのは違うと思うし、ただ、町議員の若い人がいないからそんな話も出てくるのもよくわかるし、なかなか難しい話だと思います」 会期中に議員全員で勉強会を開くなどし、議会最終日の19日に議決する予定です。
■4年前に若手のみ引き上げた村はー
一方、生坂村の議会は若手の議員を増やそうと、2020年に55歳以下に限り議員報酬を月額18万円から30万円に引き上げました。 2021年の村議選では20年ぶりに選挙戦となり、55歳以下も3人が当選しました。 生坂村・太田譲 議長: 「長野県内の地方議会、全国の地方議会にいいインパクト、波及効果はあった」 「若手優遇」の措置は一定の成果がありましたが… 生坂村・藤沢恭彦 村長: 「4年たたないうちに(改訂の)提言書をいただいた」
■不祥事も要因で改訂することに
12月4日に開かれた「審議会」。議会が提言したのは「若手優遇」を止めて「一律」にする案でした。 要因ともなったのが前回の村議選で当選した55歳以下の新人が、酒気帯び運転で摘発され辞職した「不祥事」。村民から厳しい目が向けられました。 2023年、議会が村民に行ったアンケートでも、55歳以下の月額報酬30万円について「見直すべき」が約6割に。「高すぎる」という意見も目立ちました。 村民の意見も踏まえて「審議会」では、報酬を一律に戻したうえで、現行の18万円から21万5000円に引き上げる案をまとめました。12月定例会で条例改正を目指します。
■地方議会の在り方はー
深刻な「なり手不足」に悩む地方議会。全国町村議会議長会の2023年の調査では、町村議員の報酬の平均は月額21万8000円余りでした。 額は妥当なのか、若手を優遇すべきなのか…。 地方議会の在り方が問われています。 生坂村・太田譲 議長: 「報酬も確かに大事ですけど、それ以外のところもしっかりやっていかないといけない。(解決策で)これっていうのがあればいいけど、それがないので今、全国的に本当にみんな悩んでやっているところなので、それに変わる何か新たな一手が出てくればと思う」
長野放送