小学生の98.1%が公立小、第3の学校「オルタナティブスクール」増える背景と実態 カリキュラムの自由度や学びのスタイルも多様
多様な人材が、教育の選択肢を増やす
各スクールの運営者は、元公立小中学校の教員経験者から、ビジネスパーソン、子どもが不登校になった経験を持つ母親まで実にさまざまです。 例えば、ASJ理事長の小針氏は、元ビジネスコンサルタント。自身の子どもの小学校入学を前に、子どもを行かせたい・子どもも行きたい学校が見つからず、ないなら創ろうと決意。 地球環境が危機に瀕する中、子どもたちが働き盛りになる2050年を念頭に、「どんな世界でもサバイブできる子を育てる!」をミッションに掲げて湘南ホクレア学園を立ち上げました。そして、「世界中のどこでも仲間をつくれる“コミュニケーションスキル”」「世界のどこでも新しいことをはじめられる“起業スキル”」「世界のどこででも暮らせる“アウトドアスキル”」を身に付けることを目指しています。 ちょっと毛色が違うのは、逗子オルタナティブスクールFRASCO。小学4年生から中学3年生までを対象としたスクールです。代表の中村真弓氏は、働きながら子育てをしていたが自身の働き方にモヤモヤし、ウェルビーイングを人生のテーマに生きようと決意して独立。 時を同じくして中学生の子どもが不登校になり、中学生は不登校になると行き場がないことを実感。中1ギャップを経験したことから小中学校接続の大切さを痛感し、小学4年生から中学3年生までのオルタナティブスクールを事業として立ち上げました。 どちらも、近隣の先輩格ヒミツキチ森学園を見学に行き、背中を押されて開校したスクールです。 インフィニティ国際学院中等部と高等部は、「世界で学べ」という理念のもと、日本と世界を舞台に生きる力を育むため、中等部では町全体を活用した全寮制タウンキャンパスで探究学習を、高等部では世界を旅しながら実践的なフィールドワークを通じて、子ども一人ひとりの個性を引き出します。社会に直結する力を育むスクールですが、その背景には世界を見てきたからこその危機感があるようです。 インフィニティ国際学院の伊藤氏は、「今は人類が初めて経験する変化の時代、安定の意味が逆転している」と言います。そして、自身が海外を旅して歩いた経験から、世界ではすでに大変化が起きていて、日本にもこれからその波がもっと激しく押し寄せてくる。その時に必要なのは、自ら学び、つかみ取っていく力だと訴えます。