「カースト上位女子」が人をいじめる理由は? 他人へのイライラを手放す禅の考え方
いわゆる「クラスの一軍女子」が、「陰キャ」や「オタク」などに冷たい目を向ける……学校生活の中でよく見かけるシーンかもしれません。 思春期の子が他人に対して、過剰なイライラを抱えてしまうのはなぜなのでしょうか。 【マンガ】子ども自身も戸惑う「反抗期」をうまく乗り切る1つの考え方 他人への負の感情を手放すための禅の考え方を、書籍『ZEN(禅)スタイルでいこう!』より紹介します。 ※本稿は、石井清純監修、水口真紀子編著『ZEN(禅)スタイルでいこう!』(キーステージ21)から、一部抜粋・編集したものです。
女子ヒエラルキー。弱い者いじめがやめられない承子の場合
まず、このクラスでは、とりあえず私が一番イケてるみたいだから、ピラミッドの頂点はいただきました。私と同率のカワイイ子はみんな他のクラスに行ったから、とりあえずライバルはナシ、ってことで決定~。 あ、陽向が視界に入ってしまった。ウザいあいつ、「お願いスます」じゃねーよ、マジキモいんだけど。幼稚園のときからボソボソ何言ってるのかわからないとこは全然変わんない。 毎日、パパの車で送り迎えしてもらってたところがイラつくんだよ。こっちは毎日長靴の父ちゃんと手をつないで通ってるのが恥ずかしかったっつーの。 「すげえな、あの子のおうちはBMWか。でもうちのトラックのほうがもっとでかいぞ!」って下品なしゃべり方するうちの父ちゃんと大ちがいじゃん。 参観日のたびに素敵なワンピースを着てくるママも腹が立つ。すれちがうときにフワッと高級そうな化粧品のいい香りがしてくるママ。 万年トレーナー&チノパンで、魚市場で働く生臭いうちの母ちゃんと並ばれるとホント困るんですけど、カンベンしてください。 そんな恵まれた家に生まれてるのに、いっつも自信なさげで暗くて、マンガばっかり描いてる。そんなに日陰で生きていたいなら、その「陽向」っていう名前を、私の「承子」っていうダサい名前と交換しろよ。 ムカつくからアイツの数学の教科書、ごみ箱に捨ててやろう。
承子さんに贈る禅語:「趙州狗子」
「趙州狗子(じょうしゅうくし)」 僧問趙州、狗子還有仏性也無。 州云、有。 僧云、既有、為甚麼却撞入這箇皮袋。 州云、為他知而故犯。 又有僧問、狗子還有仏性也無。 州曰、無。 僧云、一切衆生皆有仏性、狗子為 什麼却無。 州云、為伊有業識在。 ――万松行秀『従容録』 (現代語訳) ある僧が趙州和尚に質問した。「犬には仏性(仏としての本質)が有りますか?」 趙州が答えた、「有る」 僧がさらに問う、「ではいったいどうしてあんな犬の形をしているのですか」 趙州が答える、「犬は自分に仏性が有るとわかっていて、あえて犬の姿をしているのだ」 また、別の僧が同じように、「犬には仏性が有りますか?」と質問をした。 趙州は、「無い」と答えた。 僧がさらに問う、「一切衆生(すべての生き物)にはみな仏性が有ると『涅槃経』に書いてあります。どうして犬だけは無いとおっしゃるのですか」 趙州が答えた、「犬には積み上げられてきた迷いの心があるからに他ならない」