トミックの「飽きた」に続く「半分の力でテニスをしてきた」暴言に批判の声
テニスの4大大会の一つ、全英オープンのウィンブルドン選手権で、1回戦でストレート負けしたあと「テニスに飽きた」などと発言し、1万5000ドル(約165万円)の罰金を科せられるなど、物議を醸していたバーナード・トミック(オーストラリア)が、母国のテレビ局のインタビューに応じて、さらなる暴言を連発。その内容が大きな波紋を呼び、全世界から強烈な非難とブーイングを受けることになった。 トミックは、「キャリアを通して100%を出した時もあったが、30%でプレーしたこともあった。全体で言えば50%の力でプレーして来た。そんなに一生懸命やっていなかったが、それでもここまでの成果を挙げた。自分がやってきたことにびっくりしている」と話したかと思えば、「テニスが自分を選んだ。僕自身は実際にテニスを愛してはいなかった」と豪語。 「自分は裕福な家庭で育たなかった。何もないままオーストラリアに移住した。とてもタフだった。200~300ドル(約2万2000円から3万3000円)の中古の車に乗っていた。それが今じゃ50万ドルや100万ドル(約5500万円から1億円)する車に乗っている。豪華な家に住み、世界中に不動産を持っている。そのために働き、それらを得ている」と、金のためにテニスを続けていることを明かすなどして大批判を受けている。 同インタビューでトミックは、さらに高い目標を持って頑張っている選手に対するアドバイスを求められて「テニスなんかするな。自分が好きで楽しめることをやれ、なぜなら(プロテニス選手は)厳しく、タフな世界だからだ。自分は罠にかかったからやらなければならないだけだ」などと否定的なコメントを送った。 これらのコメントに対し、批判を示したのは、オーストラリアン紙のウィル・スワントン記者。 「なぜトミックは最大の負け犬なのか」という記事で、「私はこの記事を50%の熱意で書き、それに満足するさ。私が半分のやる気で書いた記事が気に入らなくてもそれに慣れてもらうしかない。そして読者の人達が他の記者の記事も読みたいためにお金を支払ったというのに他の記者も50%のやる気で書いていたとしても、私に文句を言わないでくれ。私は、たとえ自分が成功しようとしていなくても、自分がどれだけ稼ぎ、どれだけの家を持ち、どれだけ旅をしているか自慢する。そういう私をすごいと思わないかい?」などと始め、「この記事は、1000字のつもりだったが500字にした。でも(1000字と)同じ報酬をもらうつもりだ。なぜそうするつもりかというと、私はバーナード・トミックに感銘を受けたからだ」と書いたものの、「チャレンジしなければ満足も得られない。50%の力しか出さなければ、気持ちが落ち込むだけだ。半分しか焼けていないヤク肉よりも、よく焼けたヤク肉の方が美味い。つまり(半分の熱意で書いた)自分は負け犬だということだ」とし、全力で戦っていないことを罪悪感もなく語るどころか、プロテニス選手として4大大会に出場できる身分も「罠にかかった」と表現したトミックを批判した。