飲むお酢、ピクルス…~健康志向で酢が大人気
丹後地方を美食の町へ~名店が続々と誕生!
京都・宮津市で飯尾が経営するイタリアンレストラン「aceto」。築125年の古民家を改築して、7年前にオープンした。 「丹後という町をスペインのサンセバスチャンみたいに、おいしいものがいっぱいあるような町にしたい」(飯尾) サンセバスチャンは“世界一の美食の街”と言われるスペインのビーチリゾート。飯尾は、サンセバスチャンと地理的条件が似ている丹後地方を美食の町にしたいと考えているのだ。 その実現に向けた活動も行っている。京都・京丹後市の「魚菜料理 縄屋」に集まっていたのは地元の料理人たち。 観光客を魅了する新たな名物料理を生み出そうと、それぞれがアイデアを持ち寄って試してみる。地元で採れた貝や海藻の炊き込みご飯に、手長エビが丸ごと入ったラーメン、フグを鶏肉で巻いて直火で焼いた料理も……。 こうした活動から、すでに予約困難な店も生まれていた。
ポルトガル人のリカルド・コモリさんと妻の小森美穂さんが営む寿司と和食の店「鮨割烹 西入る」。リカルドさんは、京都や東京の一流店で懐石料理や江戸前寿司を修業。その味が評判となって人気店になっている。 「自然と食材が近くにある。おいしいですね、魚とお野菜」(リカルドさん) この店は飯尾に移住を勧められた二人が2年前にオープン。飯尾は家賃などのサポートもしている。 「非常に感銘をうけました。あまり(夫と)意見が合うことはないが、その時はすぐに2人で『ここだ』と思った」(美穂さん)
飯尾は丹後地方を美食の町にするため不動産業まで始めている。 今、仕掛けている古民家は、裏は敷地が海までつながっており、まるでプライベートビーチのよう。8月にはフランス人シェフが移住して、古民家レストランを開く予定だ。 ※価格は放送時の金額です。 ~村上龍の編集後記~ 高度経済成長期の昭和30年代、毒性の強い農薬がどんどん撒かれるようになり、フナやドジョウなどの生きものがいつの間にか姿を消していく。「こんな米から酢を造っとたらあかん」。3代目当主は、無農薬の米から酢を造ろうと決めた。「農薬を使わんとお米を作ってくれまへんか」。無農薬米を作ってもらえるまでに2年が必要だった。おいしい酢はおいしい米からできる。丹後の棚田で穫れる最高の米。農薬不使用栽培の米と、湧き出た伏流水だけが原料。4億円の売上高だが、増やしようがない。贅沢極まる4億円だと思う。 <出演者略歴> 飯尾彰浩(いいお・あきひろ)1975年、京都府生まれ。東京農業大学大学院修士課程修了後、東京コカ・コーラボトリング勤務を経て、2004年、飯尾醸造入社。2012年、5代目当主就任。 ※「カンブリア宮殿」より
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