寺院跡の発掘「最古の岐阜ブランド」珍しい須恵器など160点 県博で企画展開幕
岐阜県内の主な寺院跡の発掘調査の出土品を紹介する企画展「寺院跡からみた岐阜の歴史―古代・中世寺院跡総合調査の成果より―」(県博物館、県文化財保護センター、岐阜新聞社、岐阜放送主催)が9日、関市小屋名の県博物館で開幕する。来年1月13日まで。 「清流の国ぎふ」文化祭2024の一環。飛鳥時代から室町時代の寺院の屋根瓦や食器、祭祀に使われた道具など約160点が並ぶ。 8日には関係者向けの内覧会があり、学芸員らが出土品や時代背景について解説。奈良時代の出土品「須恵器 坏蓋」は、現在の岐阜市北部周辺で作られ、「美濃国」と産地が刻印された全国的に珍しい須恵器。展示会を企画した学芸員の近藤大典さんは「刻印を押してあるのは美濃だけ。最古の岐阜県ブランドなのかもしれない」と話した。 また、中世に栄えた承国寺遺跡(各務原市)から出土した「かわらけ」と呼ばれる酒を飲むための素焼きの皿について、近藤さんは「寺と酒というのは一見結びつかないが、当時知識人であった僧侶のもとに多くの人が集い、サロンとして機能していたことが分かる」と解説した。
岐阜新聞社