最も王者に近いのは!? J1リーグ優勝可能性ランキング1~5位。第1位は鹿島アントラーズ【Jリーグ2024前半戦】
3位:サンフレッチェ広島 監督:ミヒャエル・スキッベ 順位:5位 成績:勝ち点32/得失点+16 2季連続3位フィニッシュ。確かな強さを誇るチームを作り上げているミヒャエル・スキッベ監督率いるサンフレッチェ広島。新スタジアム、エディオンピースウイング広島と共にリーグ制覇を目論む今季は、勝ちきれず引き分けの多い中でのシーズンの折り返しとなった。しかし昨季の課題だった決定力は改善され、ここまで35ゴール。失点も5番目に少ない19失点、さらには6月に入ってからは6勝1敗25得点9失点と調子を上げている。 スキッベ監督とサンフレッチェ広島が積み上げてきているものに関して誰も疑うものはいないだろう。しかし川村拓夢と野津田岳人の移籍によって「主力級の純粋ボランチ」が不在となってしまった。 広島が新スタジアムと共に歓喜の瞬間を迎えるために必要なのは『控えの底上げ』にあるだろう。今季の広島もハイプレスとミドルプレスの使い分けを行いながら、プレスに出る、出ないの線引きとボール保持でも大きく成長してみせた。フルメンバーで戦った時の完成度はJ1随一といっても過言ではない。 しかしながら、怪我人の続出で苦しんだ前半戦のように、やはり主力と控えの差は少なからず感じてしまう。プレスを行ったときの背後の隠し方やボールを持ち出すときのサポートなど、控えのメンバーが成長する余地は残されている。しかし広島というクラブは育成型のクラブであり、過去にも幾度となく選手が成長し、逞しくなっている。川村と野津田の移籍により、ぽっかり空いたボランチの枠に誰が台頭するのか、それとも夏の移籍市場でボランチを獲得するのか。J1で最もチームの骨格がしっかりしているからこそ、主力を脅かす選手の成長が必要になってくるだろう。
2位:ガンバ大阪 監督:ダニエル・ポヤトス 順位:3位 成績:勝ち点37/得失点+7 昨季は苦しんだガンバ大阪が、今季は守備の堅さとカウンター、そして保持を売りにした現実的な戦い方で3位まで上り詰めている。失点14はここまでのJ1リーグで最小であり、ボール非保持の局面の安定感は抜群だ。決め切れれば……、という試合は何度かあったが、得点できるようになってから怒涛のリーグ5連勝。リーグ制覇に向けてエンジン全開だ。 攻撃のタクトを振るう宇佐美貴史を中心に、ウェルトンと山下諒也のスピードを生かした攻撃と中谷進之介をディフェンスリーダーに据えた安定した守備。攻守において隙のないチームに仕上がっているのは間違いない。 そんなガンバがリーグ優勝を果たすために必要になりそうなポイントは「得点力」にあるだろう。今季は失点の数が圧倒的に減った。しかし試合を終わらせるゴールを奪えずに、勝利を逃した試合が何試合かあったこともまた事実だ。 前進から崩しに入っていくためにSBやWGが幅を作ったり相手DFラインを止めたりすることによって、中盤の選手のプレーエリアを確保。ここから宇佐美や山田康太、坂本一彩を経由しながらフィニッシュワークまで持っていくチームの大枠が確実なものになっているのは間違いない。そしてガンバは相手を見てその立ち位置を決められるので、対策という対策はとても難しくなっている。だからこそ最後の部分、得点力や決定力の向上はタイトル獲得を考えた時に必要になってくるだろう。 大エースとして復活した宇佐美は、今季ここまで8ゴール2アシストを叩き出す。復活した大エースをいかにしてボックス内で勝負させるのか、もしくはフィニッシャーの位置にポジションを取らせるのか。ここがタイトル獲得に必須になるだろう。