市川紗椰が考える「フルーツ×◯◯」の新たな組み合わせ「結局、チーズが好きなだけかも?」
『週刊プレイボーイ』で連載中の「ライクの森」。人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。今回は、「フルーツ×◯◯」の新たな組み合わせを考える。 * * * スイカに塩、イチゴに練乳、リンゴにシナモンをかけるなど、フルーツと何かの"鉄板"な組み合わせっていくつかありますよね。メロンと生ハムもそのひとつでしょう。今回はフルーツの世界を広げるべく、新たな「フルーツ×◯◯」の組み合わせを考えます。 私が一番推したいのは、イチゴと黒こしょう。黒こしょうのピリッがイチゴの甘さと合わさると、フルーティさが際立ち、驚くほどイチゴのイチゴ感が増します! 酸味があるイチゴも甘くなりますし、甘いイチゴに奥行きが出ます。まるでキャンディのように甘く、芳醇(ほうじゅん)で濃いイチゴに。食べ方は簡単。イチゴを半分に切って黒こしょうをペッパーミルでガリガリひくだけ。 実はこの組み合わせ、欧米では近年よく見ます。もともとイチゴと黒こしょうのジャムの組み合わせはありましたが、今やストロベリーブラックペッパーアイスクリームや、黒こしょうとイチゴのジンなど、さまざまなメニューや商品が開発されています。 イチゴのバルサミコ酢と黒こしょうあえなんて、「今までなんでこうやって食べてなかったの!?」と思うほど相性抜群。さらにバジルを足してもおいしいし、私はブラータチーズやモッツァレラチーズも合わせます。ダマされたと思ってお試しあれ。まずはシンプルに、イチゴに黒こしょうをかけてみてください。 続いては、パイナップルと一味唐辛子。そもそもパインは、ハワイアンピザや酢豚など、フルーツの中でもしょっぱい食べ物と合わされがち。メキシカンのサルサソースや、タイ料理でも使われています。この辛い食べ物との相性の良さから派生したのが、一味唐パイン。文字どおり、パインに一味をかけただけ(チリパウダーもあり)。 爽やかな酸味はもちろん、単調に感じやすいパイナップルの甘さが複雑な味わいに変身します。お酒のおつまみにもいい感じ(ハムも一緒にどうぞ)。同じ発想で、パインをキムチに入れるのもオススメです。キムチチーズパインのホットサンドなんてあったら、食べてみたいです。 桃には、アールグレイの茶葉はいかがでしょう。皮をむいた桃に、アールグレイの茶葉をかけてあえるだけ(風味を引き出すために茶葉は細かく砕きましょう)。この組み合わせ、香りがたまりません! 桃のフレッシュな香りとアールグレイの爽やかな香りが鼻からフワーッと抜けます。鼻腔(びこう)、びっくり。カッテージチーズやリコッタチーズと合わせても最高。 最後は、アップルパイでもおなじみの定番の組み合わせ、リンゴとシナモン。このアップルパイにさらに、チーズをかけることを提案します。チェダーチーズのような、クセが少なくてコクのあるものがベストだけど、とろけるチーズ系のスライスでも大丈夫。 チーズをのせてアップルパイを温めたら最高。似たような感じだと、リンゴとチーズのホットサンドもたまらないですね。さらにツナやベーコンなども入れて、「甘い+酸っぱい+しょっぱい」のホットサンドも。 総括すると、「結局、市川はチーズが好きなだけかも?」と思いつつも、フルーツとスパイスの組み合わせを引き続き研究します。 ●市川紗椰1987年2月14日生まれ。米デトロイト育ち。父はアメリカ人、母は日本人。モデルとして活動するほか、テレビやラジオにも出演。著書『鉄道について話した。』が好評発売中。山椒(さんしょう)と相性がいいフルーツを考え中。公式Instagram【@sayaichikawa.official】