前のほうがよかった!? モデルチェンジが裏目に出た[悩み多き迷車たち]!!!
■「コンセプトが変わりすぎ?」な2モデル
●トヨタ カムリ 日本国内で4ドアセダンが高い人気を集めていた1980年にトヨタから中型セダンのカムリが登場した。 当初はセリカ・カムリの名称で販売されていたように、セリカのセダン版であり、販売期間も2年と短かった。 1982年登場の2代目からはカムリの単独ネームになり、先代よりもサイズが拡大された。 以降は3~4代目と全長が伸び、7代目(2001年)ではついに全長が4800mmをオーバーし、すでに中型とは呼べないサイズになった。 この頃から日本では4ドアセダンの人気も低下し、カムリの存在はやや中途半端なものになってしまった。 そして現在は日本での販売が終了し、海外では高級セダンの仲間入りを果たしている。 カムリのモデルチェンジは失敗とは言い切れないが、初代とはまったく異なるクルマになったのは間違いなく、それが国内での販売終了につながっている。 ●ホンダ オデッセイ ミニバンといえば背が高く、大人数が乗れて荷物の積載量が多いというイメージがある。 しかし、1994年に販売が開始されたホンダのオデッセイは、乗用車をベースにして価格を抑えたことと、従来のミニバンより低めのスタイルが人気の要因となり、予想を大きく上回るヒットモデルになった。 乗車位置が低いものの、室内空間は大きくとられ、さらに低重心が生む良好な操縦性がオデッセイの魅力となり、低ルーフのミニバンというジャンルを確立してしまうほどの人気を集めた。 オデッセイの低ルーフコンセプトは4代目まで継承されたが、2013年に登場した5代目では全高が高くなり、オデッセイのアイデンティティでもあった低ルーフは終わりを告げることになった。 これまでとは異なり、ごく一般的なスタイルに変化した5代目オデッセイに既存のファンが納得するはずはなく、販売業績を伸ばすことには失敗した。 その結果、日本国内でのオデッセイの歴史は2022年にいったん幕を下ろすことになる。 国内生産も終了になったが、再販を望む声も多く、2023年12月に中国で製造しているモデルを日本に輸入するかたちで販売が再開された。