氷と不凍液の界面は0.1ナノの超微細階段構造 「冷やし顕微鏡」で観察、神戸大など
ヘキサノールやブタノールに浸したときと氷の表面形状が違うことについては、実験温度の違いよりもそれぞれの水への溶解度が関わっていると大西教授は考えており、「水と相性の悪いオクタノールの方が水と混ざらず境界がはっきりしている一方、比較的親水性が高いブタノールでは、水とくっつきながら凍るためデコボコで境界のはっきりしない表面になるのかもしれない」と話す。
今後は、顕微鏡の撮影倍率を上げて、氷を構成する一つ一つの水分子を計測できるようにしたり、マイナス10度程度まで動作可能だと確認できているAFMを使って氷以外の固体の表面計測に利用したりできないかを調べていくという。
成果は7月9日に物理学の国際誌「ジャーナル オブ ケミカル フィジクス」電子版に掲載された。