DeNA戦力外の楠本泰史は熱烈虎党だった!!「小さい頃から何度も甲子園球場に」 2003年Vも左翼席で立ち会う 阪神入団会見
DeNAを戦力外となり阪神が獲得した楠本泰史外野手(29)が3日、西宮市内の球団事務所の入団会見を行った。背番号は「55」で、年俸は1800万円(金額は推定)。幼少期を大阪で過ごし、2003年の星野阪神Vも甲子園の左翼席で見つめたという「猛虎愛」を自ら明かした。プロ1号アーチが代打逆転グランドスラムだったように勝負強さは折り紙付き。虎で再起し、歓喜の輪に加わる! 【写真】大田泰示、西浦直亨らと記念撮影をする楠本泰史 心にたまったあこがれがあふれ出した。黄色のネクタイを締めて会見に臨んだ楠本は、幼少期からの「猛虎愛」を語り出した。この地でタテジマをまとい、プロとして再出発できる喜びをかみしめた。 「小さい頃から何度も甲子園球場に足を運びましたし、大好きな球団。お電話いただいたときは心の底からうれしい思いがこみ上げてきた。感謝の気持ちでいっぱい」 生まれてから7歳まで大阪で過ごし、甲子園球場には幼少期から家族の転勤で関西を離れた後も足を運んだ。赤星のサヨナラ打で勝利し、優勝が決定した2003年9月15日も、レフトスタンドから声援を送り、18年ぶりVの歓喜に立ち会っていた。「メガホンを持ってユニホームを着て、めちゃめちゃ阪神ファンっていう感じでよく応援に来ました」。今オフ、プロで7年を過ごしたDeNAを戦力外となり、縁あって決まった阪神への入団。ついに大歓声を送られる側になる。 「小さいころ、満員の阪神ファンの中でプレーするタイガースの選手がかっこよく見えていた。次は自分がそう思ってもらえるよう、一生懸命プレーしたい」 近本、森下だけでなく前川、井上らもいる外野手争いに飛び込む。アピールするのは勝負強い打撃だ。2年目に放ったプロ初本塁打は代打逆転満塁アーチ。大きな印象を残し、その後もここ一番で強さを見せてきた。出場18試合、打率・172に終わった今季も4月4日の阪神戦(京セラ)では代打で桐敷から逆転V打を放っている。「印象的な一本が記憶に残っているのはありがたいこと。一番いいところで打てるようにやりたい」と闘志を燃やす。 退団したDeNAは阪神を破ってクライマックスシリーズを勝ち上がり、日本シリーズも制する下克上を成し遂げた。「3アウト目を取った瞬間にテレビを消しましたし、ビールかけも一瞬も見ていない」。悔しさだけが募る時間だった。次は自分の番―。生まれ育った関西の球団にもう一度チャンスをもらい、心に誓った。