〈後編〉災害時の食料備蓄 1週間食いつなげられればOK 味変も大事【暮らしの防災】
大前提
2024年8月、店頭からお米が消えました。「南海トラフ地震臨時情報」の発表と少なからず関係があると思います。備蓄食料に「お米を買った」人が大勢いたわけです。私は驚きました。生米は食べられるようにするためには手間がかかるからです。災害時は、できるだけ手間をかけたくないものです。前回に引き続き、食料備蓄について考えます。 火力、鍋、水は必須です。何を備蓄して食べるのか?の前に、道具を準備しましょう。 火力は家庭用カセットコンロ、鍋はキッチンにある大きめの鍋でOKです。特別なものを用意する必要はありません。 普段使いのものを利用するのがポイントです。
カップ麺・カップメシシリーズ
説明するまでもありませんね。1人1食100円~値段はピンキリ。 ただ、1種類だと飽きてしまいます。ヌードル、ラーメン、うどん、そば、焼きそばなど複数の種類をそろえておくといいでしょう。カップ麺は食べたら買い足しの「ローリングストック」に最適です。 味に変化をつけるために、七味や胡椒、青のりなどがあるといいでしょう。 <そうめん&早ゆでパスタ> 東日本大震災の被災地では、そうめん、早ゆでパスタが大人気でした。そうめんつゆ、パスタソースが必要です。 密封できる食品保存袋に水と一緒に入れれば、ゆで水が少し汚れていても大丈夫です。1人分1食100円~(ピンキリ)。
もちろんお菓子もOK
以前も説明しましたが、食料備蓄とは「早い話が、自分や家族が1週間食いつなげられればOK」にしておけばいいんです。 メニューに「こうでないといけない」はありません。極端な例ですが、お菓子を1週間分買っておくのもいいでしょう。形に囚われずに備えてください。乾パンとか、氷砂糖、携帯食もいいでしょう。 <複数の種類を> 1種類だと飽きるので、上記、いろいろなメニューを備蓄しておくのがベストです。 そしてこの備蓄食料を、毎日の暮らしの食事に取り込んで、食べた分を買い足していくローリングストックをしていきます。 ◇ 被災地取材やNPO研究員の立場などから学んだ防災の知識や知恵を、コラム形式でつづります。 ■五十嵐 信裕 東京都出身。1990年メ~テレ入社、東日本大震災では被災地でANN現地デスクを経験。報道局防災担当部長や防災特番『池上彰と考える!巨大自然災害から命を守れ』プロデューサーなどを経て、現ニュースデスク。防災関係のNPOの特別研究員や愛知県防災減災カレッジのメディア講座講師も務め、防災・減災報道のあり方について取材と発信を続ける。日本災害情報学会・会員 防災士。