2025年の国内景気、7割超が改善見込む 通商摩擦には懸念 主要企業アンケート
産経新聞社は昨年11月中旬から12月上旬、主要企業111社を対象にアンケートを実施した。 2025年の日本経済について、主要企業は昨年に続く賃上げによる個人消費の伸びが牽引し、景気は緩やかに改善すると見込んでいる。景気が「改善する」「やや改善」すると回答した企業が7割超に上り、物価上昇が賃上げを促して、消費を押し上げる「物価と賃上げの好循環」への期待が一段と高まっていることが分かった。 企業の大半は今年の景気は内需が支えるとみている。「高水準の賃上げが続くことに加え、物価高が徐々に落ち着き、実質賃金が改善すると見込んでいる」(金融業)ためだ。また、プラス材料として「高水準の企業収益を背景に設備投資が堅調に推移し、インバウンド(訪日客)需要も好調を維持する」(建設業)との見方も多かった。 ただ、先行きは楽観していない。全体で73・9%だった改善基調の回答のうち、70・3%は「やや改善」と慎重で、「横ばい」との回答も17・1%あった。 「トランプ米次期大統領の就任で保護主義やブロック経済が拡大する恐れがある」(製造業)など、通商摩擦による悪影響への警戒感は強い。不動産不況による中国の景気後退を懸念する声もあり、海外の経済動向には不安があるようだ。 昨年は、認証不正による自動車生産の減少が国内総生産(GDP)を大きく押し下げたが、トランプ次期政権の関税引き上げで再び自動車産業が低迷すれば、景気への悪影響は避けられない。内需にも「人手不足による供給制約」(宿泊・飲食業)懸念があり、景気が「やや悪化する」との回答も2社あった。「悪化する」との回答はゼロだった。