「STAP論文」を調査委が否定 再現実験はムダだった?
理研理事の会見で筆者がその件を質問したところ、理事の川合眞紀氏は「4月の段階では予測できなかった」などと答えましたが、明瞭とはいえない説明でした。なお「STAP現象の検証」計画には約1500万円の予算が使われました。 STAP細胞が最初に報告された後、世界中の10あまりの研究室が再現実験を行ったところ、誰も再現できなかったことが知られています。再現性の確認についてはそれで十分だったはずです。 理研も早稲田大学も文部科学省も、研究不正の再発防止に取り組むとしていますが、どんなに努力したところで、減らすことはできてもゼロにはできないでしょう。再発防止だけでなく、同じかそれ以上に、組織としての事後処理体制が重要です。理研はその悪い例となったといわざるを得ません。 (粥川準二/サイエンスライター)