「阪神ナインよ、火・金に全力を!」下柳剛が提言する「”アレンパ”への逆襲策」
昨季、38年ぶりに悲願の日本一に輝いた阪神タイガースは今季、球団史上初の連覇に挑む。その戦いぶりを、2004~2008年の第一次岡田彰布政権下で先発投手として最も多くの勝利数を記録(5年間で55勝)した野球評論家・下柳剛氏が分析。当時の経験を織り交ぜた確かな洞察力は阪神ファンならずとも必読だ。 【一覧】プロ野球「最も愛された監督ランキング30」最下位は、まさかの… 前篇記事『「阪神優勝の確率はゼロ! いまのままではね」下柳剛が古巣の貧打に喝! 「打てんのなら走れ!」』に続いて、リーグ戦再開後のゲームをどのように戦っていくべきか、下柳氏が詳しく解説する。
投手陣を救うためにも…火・金に勝て!
今の阪神の投手陣は本当にがんばっている。交流戦を最下位で終わらなかったのもピッチャーさまさまだ。先発陣では伊藤も戻ってきたし、リリーフがしっかりしていることは変わらない。だから何も変える必要はない。今まで通りやればいい――ってそれが難しいことなんだけど。 自分も現役時代に経験したことがある。どんなに好投しても味方打線が打てなくてロースコアの接戦を強いられる時期があった。その時、自分は心の中で、“9-10で負けたらバッターの恥。0-1で負けたらピッチャーの恥”と言い聞かせ続けていた。 乱打戦になっているのに1点勝ち越せずに負けたら打てなかったら打者の責任。いいピッチャーと投げ合っているのに先に点を取られてしまったら投手の責任。ピッチャーとしての本音は、“もっと打って点を取ってくれよ! ”だけど、言ったところで変わらない。であれば現状を受け入れて頑張るしかない。今の阪神ピッチャー陣は苦しいと思うけど、この心持ちでなんとか耐えてほしい。 かといって何も手を打たなければ、打線が復調する前に疲弊しきってしまうかもしれない。接戦続きの中、少しでも投手陣の負担をやわらげるとすれば「火、金に勝つ」ことだ。 ご存じのように、プロ野球の1週間は月曜日が移動日で火曜日から3連戦があり、金曜日から相手を変えて3連戦、というスケジュールが主軸。「火、金に勝つ」ということはつまり、それぞれの3連戦の頭=カード頭を勝つということだ。
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