デジタル通貨で国際決済 日銀、米欧中銀が実験
【ロンドン共同】国際決済銀行(BIS)は3日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)が将来普及することを見据え、新たな国際決済の普及に向けて実証実験を始めると発表した。日銀や米欧などの中央銀行と連携し、処理速度を高めた新たなシステムの構築を模索する。民間の金融機関にも参加を呼びかける。 現在の国際決済システムでは中継銀行を挟むため決済完了に数日程度かかっており、新システムでは貿易などでの決済迅速化やコスト低減が期待される。 今回の取り組みは、古代ギリシャで「広場」を意味したアゴラにちなみ「プロジェクト・アゴラ」と名付けた。日銀のほかに米ニューヨーク連邦準備銀行、英イングランド銀行、スイス国立銀行、フランス銀行、韓国銀行、メキシコ銀行が参加する。 BISの担当者は「単に技術をテストするだけでなく、特定の運用や規制、法的な条件の下で(実際に)事業を行う金融機関とともに実施する」とコメントした。
CBDCを巡っては、中国が「デジタル人民元」の推進を狙っており、日米欧を中心に警戒感が高まっている。