「‐196(イチキューロク)」にリニューアル。寂しいけど、ありがとう!「ストロングゼロ」
3月26日、サントリーの缶チューハイ「ストロングゼロ」が「イチキューロク」に生まれ変わる。〝ストゼロ〟の愛称で長年親しんできただけに、寂しい! なぜ改名にいたった? 味は変わる?という疑問や、ストゼロラバーたちにあらためてその愛を語ってもらった! 【写真】「イチキューロク」の魅力について語る愛飲者たち * * * ■あの人気酒がリニューアルのワケ 〝ストゼロ〟の愛称で親しまれてきたサントリーの缶チューハイ「-196℃ストロングゼロ」が「-196(イチキューロク)」に生まれ変わることが発表された。最近のストロング系チューハイの販売事情について、流通ジャーナリストの渡辺広明氏が語ってくれた。 「アルコール度数8%以上の市場は2020年をピークに右肩下がりとなっています。その原因として考えられるのは、コロナ禍の巣ごもりにより、自宅でゆっくり飲食する生活に変わっていき、手っ取り早く酔うというより〝こだわりの飲酒スタイル〟に変わっていったこと。 また、世界保健機関(WHO)の『アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略』や厚生労働省の『健康に配慮した飲酒に関するガイドライン』などにより、適切な飲酒量の指針が出されたのも一因。ストロング系チューハイは日本酒やワインなどと比較して度数は低いものの、飲みやすく短時間で飲酒量が増え、気軽に飲めるのでついアルコール摂取量が多くなる。 そんな中、各社の販売戦略が変わりました。サッポロやアサヒは新商品を販売せず、撤退予定と発表。キリンもそれに追随する方針です。サントリーは無糖シリーズの販売や適正飲酒の啓蒙活動により、消費者のニーズに寄り添う戦略を組んでいます。他社の撤退方針により、ストロング系市場で存在感を示していくとも考えられます」 なるほど。前提がわかったところで、サントリー広報担当者に今回のリニューアルの理由を聞いてみた。 「背景としては、ブランド発売20年目となる節目の年に、商品名・中味・パッケージをリニューアルし、新たに『-196(イチキューロク)』ブランドとして、同ブランドのさらなるファン拡大を図るためです。 製品名は、より親しみを感じていただきたいとの思いから、ブランドの特長である『-196℃製法』(果実を丸ごと-196℃で瞬間凍結し、粉砕する製法)に由来した、『-196(イチキューロク)』というブランド名にリニューアルしました」 ストロングゼロとイチキューロクには何か違いがあるのでしょうか? 「中味は原料の配合を見直すことで、ご好評いただいている〝しっかりとした果実感と飲み応え〟を感じられるチューハイを実現しました。 パッケージは商品の最大の特長である『-196』のロゴを缶中央に配し、無糖シリーズ・ストロングゼロシリーズ共通のデザインにすることで、同一ブランドであることを訴求しています。 『-196〈無糖〉』シリーズは水色を基調に、『-196〈ストロングゼロ〉』シリーズは銀色を基調とすることで、それぞれのシリーズがわかりやすいパッケージを目指しました」 アルコール度数6%の無糖シリーズとストロングゼロシリーズを「-196」ブランドとしてリニューアルするとのことだが、この流れを歓迎するのは、年間1000本以上の缶チューハイを飲む缶チューハイ研究家のストロングおじさん氏。 「-196℃製法は果実を丸ごと粉砕して使っているので、皮の香りとか苦みとか、そういう部分までしっかり感じられます。 とはいえ、ストロングゼロだと、どうしてもお酒感が前に出るので、この製法の魅力が伝わりきらないかもしれません。無糖シリーズは度数が控えめかつ甘さも控えめなので、よりストレートに果実感を味わえます。今までストロングゼロを飲んできた方にもぜひ飲んでほしいです」