世界に1冊、あなただけの物語を綴るコツ。自分史活用アドバイザーが教える<自分史>の描き方。夫婦の記念日や米寿の誕生日などを目途に挑戦
◆楽しみながら自分史を作る5つのステップ 〈Step1〉年表を作るまず生まれた年から1年刻みで、進学・就職・結婚・子の誕生・転居などのライフイベントを書き込み、続いてその間にどんなことがあったかを埋めていきます。 こちらの「〈書き込み式〉自分史年表」にあるような社会の出来事のほか、流行した歌やテレビ番組などを参考にすると、記憶を呼び起こすきっかけに 〈Step2〉素材を集める記憶を呼び起こすために、思い出の場所へ足を運んだり、懐かしい人に会って話を聞くのもいいでしょう。 手帳や日記、家計簿、手紙、アルバムなどを参考にするのもおすすめ。パスポートやお土産品から旅の記憶をたどったり、自家用車や家電など大きな買い物の記録を探したり。 頭から足の先まで全身を使うのが自分史づくりを楽しむポイントです 〈Step3〉書く年表に沿って「時系列」で書くのが基本ですが、大切な体験に的を絞る「テーマ型」、折々に綴ってきた文章や短歌・俳句などを編集する「エッセイ型」もあります。 大切なのは、当時の時代背景や場所を意識しながら「自分だけが知っている出来事を、誰にでもわかるように書く」こと。 また、「自慢だけ史」にならないよう、失敗や挫折、そこから得たものを書くことで読者の共感が得られるでしょう 〈Step4〉読んでもらう書きあがった原稿は、信頼できる友人や家族に読んでもらいましょう。第三者の目が入ることによって表現が練られ、読み応えのあるものが完成します。 少部数でも配って読んでもらう予定なら記憶の間違いや、誰かを傷つける表現がないか確認してもらうことも大切です 〈Step5〉形にする手書きの原稿をコピーしたりパソコンからプリントアウトした紙に、タイトルと表紙をつけてホチキスでとめれば素敵な冊子の完成です。 最近は、インターネットのブログやSNSで発表する人も増えています。 さらに本格的な「本」の形にしたい場合は、自分史など少部数の本の編集と制作を専門にする編集者や会社など、プロに相談してみてはいかがでしょう (構成=山田真理、撮影=本誌編集部)
河野初江
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