「生理のつらさも更年期の大変さも、もっと大きな声で話そう」切実な問題に応えるフェムテック トイレットペーパー型のナプキン、災害用下着…「女性のモヤモヤを解決したい」
フェムテックによる経済効果は2025年時点で年間約2兆円とする推計もある。注目されるようになったフェムテックだが、日本では経済的な側面が強調されていると感じる、と北原さん。「性と生殖の権利に関する議論が足りないため、フェムテックという分野が本当に温まっていく土壌がまだ醸成されていないと思います」と話す。 ▽女性は我慢し続けている 北原さんによると、台湾では、フェムテックに関わる女性たちの動きが、性教育の在り方にも影響を与え、社会全体のジェンダーに関する考え方の変化を呼び起こしたという。 「フェムテックの中にはデータで健康管理しようとするサービスも多いですが、だれもがそれを手にできるわけではないと思います」と指摘。生活に困っていたり、障害があったり、より切実にフェムテックを必要としている女性たちの存在を考慮した視点が求められる、と訴える。 北原さんは「28年間活動してきて変わらないのは、女性はずっと我慢し続けているということ。女性は、生理のつらさも更年期の大変さも、もっと大きな声で話していい。そうした困り事を語り合える場所や機会が必要ではないでしょうか」と呼びかけている。