「生理のつらさも更年期の大変さも、もっと大きな声で話そう」切実な問題に応えるフェムテック トイレットペーパー型のナプキン、災害用下着…「女性のモヤモヤを解決したい」
例えば初潮を迎えた後、閉経まで訪れる月経。腹痛や頭痛、気分の落ち込みなど、肉体的にも精神的にもしんどい思いをしている女性は多く、日常生活に支障を来すこともあるが、他の人にはなかなか伝えにくい。 【写真】フェムテック関連の商品が並ぶ売り場 東京・六本木
月経のほか、妊娠、出産、更年期など、自身の体と向き合い続ける女性の不安や負担の軽減を目的とした製品やサービス「フェムテック(femtech)」が注目されるようになった。英語の「female(女性)」と「technology(技術)」を組み合わせた造語で、関心の高さを示すように、2月9日~11日に東京・六本木で開かれたイベント「Femtech Fes!」には5千人が訪れた。 「生理の貧困」といった女性を取り巻く社会的課題の解決のための製品、月経の不快感解消など開発者自らの経験をもとにした製品などが並び、女性たちの日々の切実なニーズに応えようとする選択肢が生まれてきていると感じた。(共同通信=白坂美季) ▽「生理の貧困」にトイレットペーパーの発想 生理用品はトイレットペーパーのようにいつでも手に入られるものでないといけない―。世界的に大きな問題となっている「生理の貧困」(経済的理由で生理用品を購入できない)について書かれたボストン・グローブ紙の記事をきっかけに、トイレットペーパーのようなロール型で、公共施設のトイレの個室などに設置し、利用者が無料で使える生理用品が開発された。 この製品を展開するアメリカの「Egal」社CEOのペネロペ・フィニーさんは「トイレで用を足すことについてはトイレットペーパーが解決する。では、なぜ女性の生理についても同じように解決できないのでしょうか」と問う。
▽8歳の子が生理用品をいつも用意できるか 「たとえ生理用品を買うお金があったとしても、外出先で突然始まることもありますし、忘れることもあります」。フィニーさんによると、アメリカでは統計的に初潮を迎える年齢が下がってきており、8歳ごろに初潮が始まることもあるという。「8歳の子どもがいつも生理用品を用意しておくのは無理な話。それをどう解決するか、ということでもあります」 トイレットペーパー型の生理ナプキンは1ロールで40枚分。学校、大学、スタジアム、銀行、図書館で導入されている。「学校への導入例では1年間に1人の女性生徒に対して5ドルかかる計算。とても良心的だと思います」とフィニーさん。商品はアメリカ、イギリス、カナダに広がっており、南アフリカでも展開予定で「日本でもぜひ広げていけたら」と言う。 ▽女性が抱えるモヤモヤを解決 展示された製品を見て、女性ならではの課題に注目しそれを解決しようという多様な視点を感じた。シンプルなデザイン、透けない素材、速乾性などが特徴の災害用下着を日本の企業は開発。身の危険が迫った時にボタンを押すだけですぐに助けを呼ぶことができるスマートブレスレットとアプリをアメリカの企業が展示しており、目を引いた。