<上海だより>上海カフェ事情:格段に向上するクオリティと越えられない壁
そして、肝心の味ですが、これは個人的な好みの差もあるとはいえどうも酸味に偏りがありすぎる気がしています。そもそも、中国人の若者の多くは苦味を嫌う傾向にあり、大多数の人たちはラテやカプチーノなどを飲み、そもそもブラックコーヒーを好む人は少数派です。 苦味を嫌う傾向はコーヒーに限らず、お茶にもその傾向は見られ、中国に慣れている日本人にとっては有名ですが、コンビニなどで売っているお茶の多くは加糖の甘いお茶が依然として一般的です。このような影響により、濃く苦いコーヒーよりも酸味によった味が多いのかもしれません。一方で、豆自体が酸化しているために酸味を帯びている可能性も否めません。
現在進行形で急成長している中国のカフェ市場に日本と同等の完璧なクオリティを求めるのは酷なことは承知ですが、やはりこのような価格でカフェビジネスをするのであれば、さすがにそこまで甘い目で見るわけにはいかないのも本音というところです。 お店自体の見栄えにこだわるのも当然大事ではありますが、提供された際の見栄え、口に運んだ時の飲み口を際立たせるカップの質、そしてコーヒー自体の味、この飲食店として本質となる部分に執着をするようになると、いよいよ中国も手強いなという気がしますが、まだまだ消費者自身もその質を判断できない人が多いこともあり、お店側もそこには注力していないのが現実です。とはいえ、この数年の進化の速度から考えると、その段階に至るのも既に秒読み段階に入っているかもしれません。