株価急騰、ナノキャリアが「mRNA特化」へ大転換する背景
ナノキャリアの公表資料。mRNAへ事業構造の転換を図る(編集部撮影)
東京大学発のバイオベンチャー、ナノキャリア(4571)が注目を集めている。 同社は1月26日、「メッセンジャーRNA(mRNA)」と呼ばれる創薬技術の研究に特化することを発表。創業のきっかけにもなった「ミセル化ナノ粒子」という独自技術を用いた医薬品開発からの、「ビジネスモデルの転換」へ舵を切った。 今後は、新薬候補をヒトへ投与するステージの「臨床開発(治験)」は行わず、その前段階である「非臨床段階」に特化する。つまり、mRNA技術の基礎研究のみに専念し、その成果を他社へライセンスアウトし一時金などを得るビジネスモデルを目指す。 株式市場はこのビジネスモデル転換を好材料ととらえ、同日の株価はマドをあけて急騰、ストップ高となった。足元でも約2割高の水準で推移している。
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石阪 友貴