トリオ体制となったダークサイド、3rdアルバム『Nothing』リリース 新曲を先行公開
ニコラス・ジャーとデイヴ・ハリントンに加え、新たにトラカエル・エスパルザをメンバーとして迎え3人体制となったダークサイドが、4年ぶりとなる3rdアルバム『Nothing』を2月28日(金)に「マタドール・レコード」よりリリースすることを発表。あわせて、アルバムより新曲「S.N.C」をミュージック・ビデオとともに公開しています。 これまでの2作品『Psychic』(2013年)と『Spiral』(2021年)は、ニコラス・ジャーとデイヴ・ハリントンがさまざまなアイデアやメロディの断片をスタジオに持ち込んで形作られていきました。今回の『Nothing』は、自由な即興演奏やアコースティックなリフ奏法、エレクトロニックな浮遊感などから導き出された音像を模索して生まれたもの。また、2人の長年の友人でありコラボレーターでもあるドラマー兼楽器デザイナーのトラカエル・エスパルザを新たなメンバーとして迎えた結果、磁石のように人を引き付ける象形文字のような作品に。蛇行するギター音や、まるで地球外から発信されたようなノイズ、深淵を思わせるドラムが音楽という既成概念を突き抜け、心を悩ませるリズム、歪んだヴォーカル、そして、不思議な美しさを湛えた仕上がりです。 2014年に、ダークサイドは6年間の活動休止を発表。その後、ジャーは自身の名義や、ダンス志向の別名義アゲインスト・オール・ロジックとしソロ・アルバムを次々と送りだし、映画のサウンドトラックを手掛け、FKAツイッグスのプロデュースを行ない、世界各地で音響編集とリスニングのワークショップを開催してきました。一方、ニューークの前衛ジャズ・シーンにルーツを持つ演奏家ハリントンは西海岸に移り住み、たちまちL.A.アンダーグラウンドの中心的存在に。特に多作で想像力豊かな実験家として知られるハリントンは、自身のグループを率いたり、さまざまなアンサンブルで演奏したり、テーパーズ・チョイス(リアル・エステートとヴァンパイア・ウィークエンドのメンバーで結成されたジャム・バンド)の共同創設者としても活躍してきました。 そして、2022年、ダークサイドは復帰に向けての準備としてロサンゼルス北東部にテナント「The Spiral House」を借ります。エスパルザがメンバーとして加わったことで、バンドのサウンドと精神は根本的に変貌し、ゼロから自分たちの新しいアイデンティティと表現方法を解読していきました。こうした即興のセッションから、「Nothing Jam」というひとつの重要な指針が生まれます。このコンセプトは、最初、マインドフルネスを絶えず探求する中で浮かんできたものでしたが、ハリントンが毎朝、生まれたばかりの娘と“何もしない”で過ごすひとときにも由来しています。「Nothing(無・何もない)」というモチーフは、2023年の春から夏にかけて行われたダークサイドのヨーロッパ・ツアーで繰り返し登場しました。アルバムのレコーディング・セッションはツアーのオフ日に開始され、南フランスのスタジオに籠って自由奔放でゆるいグルーヴに身をゆだねた後、ロサンゼルスで1週間、さらにパリで1週間のセッションが続き、その結果誕生したのが、この『Nothing』となります。 Photo by Lefteris Paraskevaidis