2024年に発掘した38銘柄から、特に上がった3~1位を大発表!【坂本慎太郎の街歩き投資ラボ】
『週刊プレイボーイ』で連載中の「坂本慎太郎の街歩き投資ラボ」。株式評論家の坂本慎太郎とともに街を歩き、投資先選びのヒントを探してみよう。金のなる木はあなたのすぐ近くに生えている! 街歩き投資ラボで取り上げた銘柄の振り返り 今週の研究対象 街歩き銘柄 2024年総決算 後編&今年の相場予測 2024年に紹介した銘柄のうち、パフォーマンスが良かったBEST3は? 今から投資しても間に合う? 最後には、今年の相場展望も予測してみました! 助手 前回に続き、2024年に取り上げた銘柄の振り返りを! 値上がり率第3位はランドネットの145.31%でした。 坂本 同社は独自のデータベース(DB)を武器に中古不動産の買い取り販売を手がけています。 助手 首都圏の新築マンションが高騰を続けている関係で、リノベーション済みの中古マンションを検討する人が増えたんでしたっけ? 坂本 そう。加えて、同社は独自DBの活用が好業績につながった。DBには所有者の登記簿情報から、周辺の取引事例、物件の交渉履歴などが格納されています。これを使えば新人でも物件所有者から直接仕入れができて仕入れコストを下げられるし、そのときの売れ線の物件を仕入れて在庫回転日数を短縮することもできる。今期も第1四半期から業績は絶好調で株価上昇に寄与しました。 助手 まだ投資はできますか? 坂本 はい。営業人員を順調に採用できているから、業績はさらに伸びそう。万が一、不動産市況が悪くなっても長期で在庫を抱えるモデルじゃないから安心して投資できますよ。 助手 第2位は値上がり率174.51%、ゲームセンター「GiGO」を運営するGENDAでした。 坂本 同社はM&A(企業の買収と合併)をテコに、短期間で急成長を遂げています。「GiGO」は、2020年にセガサミーの子会社から取得した「SEGA」のゲームセンターをリブランディングしたもの。次の期には38億円の営業利益を叩き出し黒字化に成功しました。 助手 当時、GENDAは設立から約2年でしたっけ。スゴすぎますね。 坂本 確かに、普通なら買収も黒字化も厳しいね。でも、同社はプロの経営者や高度な金融知識を持つ専門家らが出資して作ったファンドが母体なんです。ファンドメンバーが起業して、ファンドが大株主になって資金も提供している。だから、設立当初から企業経営に必要なヒト・モノ・カネ・ノウハウをそろえて圧倒的なスピードで成長できた。最近は映画配給会社・ギャガの買収も行なうなど、アミューズメント分野だけでなくエンタメ分野全般に進出して相乗効果を狙う方針のようです。 助手 まだまだ拡大しそうってことですか。なら、今後も投資できる? 坂本 ええ。M&Aの進展に沿って、今後も株価は伸びると思います。 助手 期待できそうですね。では、いよいよ第1位。値上がり率178.39%のブロードマインドでした! 坂本 保険商品を売って保険会社から手数料収益を得ています。加えて同社は投資信託などの投資商品や住宅ローンも扱っているのが特徴で、新NISA追い風銘柄として取り上げました。 助手 じゃあやはり、新NISAの恩恵が大きかった? 坂本 いや。今回の株価上昇は別の理由。利益の100%を配当する方針を発表したことが評価されました。ただし、その後の同社の業績は好調とはいえない。同社の配当方針だと業績が悪ければ減配になるから、今からの投資は慎重に判断すべきだね。 助手 なるほど。さて、今年はどんな相場になりそうですか? 坂本 トランプ新大統領の政策は不確実性が高く相場への影響は未知数。それより日銀の動向に注目です。今の状況では大幅な利上げはできず円安は続くとみます。引き続きインバウンド関連企業は有力です。円安で原料高になるから、値上げを断行できる企業も有望だろうね。 今週の実験結果 今年も円安は続きそう。インバウンド関連企業と値上げができる企業が有望! 構成/西田哲郎 撮影/榊 智朗