山口壮大が「ファッション×障がい」作品で放つ「ファッションの社会的価値」 【ファッション・フォームズ前編】
――山口さんが今回のプロジェクトを通して得られたものは?
山口:今回のプロジェクトに参加してくれた当事者とケアをする親御さんたちの心境が変わったことですね。初めは後ろ向きだった方も、対話を重ねていくうちに、終盤はファッションに対しての向き合い方がポジティブに変わって行きました。ファッションの楽しさが当事者に伝わったことは良かったと思ってます。それから、つくば近隣の方で同じような障がいを持っている方が「次回は参加したい」と思ってもらえるものにしたいという想いもありました。このドキュメンタリーは、障がいを持つ方々が今よりも「ファッションは自分のもの」として身近に考えてもらえる「タネ」を蒔いている作品です。そのタネが咲いて、またタネを蒔く役割を当事者が担ってくれたら自然とファッションが地域の中で育っていくと思うんです。先ずはつくば市を起点に、ファッションへの向き合い方が当事者の数だけ存在することを伝えていけると嬉しいです。