【闘病】全身性エリテマトーデスの診断まで17年 「やっぱり膠原病だったんだ」
話を聞いた辻磨帆さんは、「全身性エリテマトーデス(SLE)」と診断されるまで実に17年の時間を要しました。症状が現れたのは高校生の頃で、これまでに皮膚科、血液内科、膠原病内科、眼科、耳鼻科、整形外科、婦人科を受診したそうです。 【イラスト解説】SLEはじめ代表的な5つの「膠原病」の症状 そんな辻さんに、全身性エリテマトーデスと診断されるまでに時間がかかった理由やこれまでに体験したことを語ってもらいました。 ※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2024年5月取材。
体の異変を感じていたが、自分のことは後回しにしていた
編集部: 病気が判明した経緯について教えてください。 辻さん: 高校生の頃から、しもやけ、手指の関節痛、ソーセージ様指(手指の腫れ)・痛み、慢性的な疲労感、喉が乾きやすいといった症状がありましたが、どれも我慢できてしまうものでした。 家庭環境に問題があったこともあり、自分の体のことは後回しにしていたというのもあります。症状がひどい時に、一人で皮膚科を受診したこともありましたが、薬が処方されて診察は終わっていました。 編集部: 整形外科や内科も受診されたそうですね。 辻さん: はい。突然、あらゆる関節が痛くて立ち上がれなくなり、整形外科を受診しましたが、スポーツによる関節の酷使と言われました。2010年に1カ月続く微熱と倦怠感により、風邪が治らないと主張し、内科クリニックも受診しました。 内科の先生からは、「嫌な予感がするから今から採血をします。おそらく大学病院の血液内科を受診することになると思います。明日の朝には結果が出るから、私からの電話には必ず出てください。 紹介状を書くから取りに来てもらって、そのまま受診になると思います」と言われました。 編集部: 結果はいかがでしたか? 辻さん: 翌日電話があり、白血球の異常を指摘されました。その先生が言っていた通り、そのまま大学病院の血液内科を受診し、骨髄検査を受けました。その結果、白血病ではないことを伝えられました。 今までの症状から、「膠原病の可能性はありませんか?」と大学病院の先生に聞いたのですが、「なんの検査をしてほしいの?」と逆に質問されました。最終的に、胸部レントゲンを撮り、膠原病ではないと言われました。 編集部: なかなか診断がつかなかったのですね。 辻さん: そうですね。2012年に長時間日光を浴びて帰宅したときに、顔から足の指先まで全身に紅斑が出ました。顔が四角くなり、ボコボコ腫れてきたため総合病院の皮膚科を受診したところ、そのときは通院による点滴治療を2週間続けて終了となりました。 子どもを希望していたため、のちに総合病院の内科を受診し、「私は膠原病だと思うので必要な採血をして下さい」と医師に伝えました。 採血検査の数値だけで、膠原病と分かりました。内科の先生からは「紹介状書くからどの病院にする?」と言われ、自分で今の主治医を選び受診し、そこでシェーグレン症候群の診断がつきました。