【闘病】全身性エリテマトーデスの診断まで17年 「やっぱり膠原病だったんだ」
17年の月日を経て、「全身性エリテマトーデス」と診断された
編集部: そこから全身性エリテマトーデスと診断がつくまでの経緯を教えてください。 辻さん: シェーグレン症候群の経過観察をしている中で、血小板減少が見られ、緊急入院することになったのです。 そこで、全身性エリテマトーデスの診断(抗リン脂質抗体症候群、特発性血小板減少性紫斑病を合併)がつきました。診断がついたのが2018年でしたので、病院に通うようになって17年もかかってしまいました。 編集部: どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか? 辻さん: シェーグレン症候群の診断時は、月一回の受診時に採血をして経過観察。服薬はなく、ドライアイの目薬処方のみでした。全身性エリテマトーデスは、プレドニン(ステロイド)50mgから治療開始し、最終目標は5mg以下で免疫調整剤を併用していくとのことでした。 編集部: 病気が判明したときの心境について教えてください。 辻さん: あぁ、やっぱり膠原病だったんだ。もっと自分の体のことを丁寧に記録しておいたら、確定診断まで時間がかからなかっただろうなと思いました。 編集部: 発症後、生活にどのような変化がありましたか? 辻さん: 軽視しやすい倦怠感、指の関節の違和感に敏感になりました。これは「休みなさい」のサインだと。それからというもの、紫外線を避ける、予定を入れすぎない、疲れを感じたら休む、これらを徹底し、再燃を防いでいます。 編集部: 全身性エリテマトーデスに向き合う上で心の支えになっているものを教えてください。 辻さん: 寛解状態のときは、元気に暮らせることを知っています。この状態を保つには、大切な人たちとの時間が何よりの支えです。 編集部: もし昔の自分に声をかけられたら、どんな助言をしますか? 辻さん: 自分の体の状態をきちんと知ること。不調のサインを感じ取れる精神状態を保つことを伝えたいです。
毎日の積み重ねが病気に負けない体を作る
編集部: 現在の体調や生活などの様子について教えてください。 辻さん: 寛解状態9カ月目(取材時)にあり、2カ月に1度の定期受診と服薬のみで充実した毎日を送っています。バランスの良い食事と定期的な運動で、病気に負けない体作りを習慣化しています。 起床時の手指の関節痛、血小板減少による出血過多の症状はありますが、疲れを感じたら休養することを徹底しているため、大きく体調を崩すことはありません。 朝の薬は、プレドニン4mgと5mgを交互、プラケニル1錠と2錠を交互、アルファカルシドールカプセル0.5mg1錠、ポラプレジンクOD錠剤75mg ランソプラゾールOD錠15mg1錠 ユベラ50mg1錠、夜の薬は、ユベラ50mg1錠、クエン酸第一鉄Na50mg1錠 週1回ボナロンを服用しています。 編集部: あなたと同じ病気を抱えている人にアドバイスを一言お願いします。 辻さん: 紫外線に気を付けること。疲労感を感じたら必ず休むこと。ストレスをためないことです。 編集部: 医療従事者に望むことはありますか? 辻さん: 調べたら分かる程度の膠原病を疑う症状は、どの科の先生も把握してほしいです。14年前、大学病院の内科医に膠原病の可能性を確認するも、疑われませんでした。また、とても軽視されやすいのですが、倦怠感、関節の痛みが辛いということを理解してほしいです。 編集部: 最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。 辻さん: 毎日の習慣の積み重ねが、病気に負けない体を作ります。バランス良い食事、運動、感情とストレスのコントロール、そして笑顔を大切にしてほしいです。