ロエベはヴィンテージ風、ジル サンダーはリジッド。日常を彩るプレシャスなデニムスタイル4例
初期衝動にも似るデニムへの想い。それでも、アップデートは不可欠だ。 シルエットで、加工で、哲学で、一歩先ゆくトクベツなフツウ。納得の日常着と、プレシャスな毎日を。 ▶︎すべての写真を見る
主張せずに哲学を伝える「ザ・ロウ」のブルーデニム
匿名性が示すアイデンティティ。そんな美しき矛盾をはらむブランドが極上の5ポケットデニムパンツを手掛けた。 インディゴの味わいは経年変化によって深みを増し、オーガニックコットンで紡ぐリラックスシルエットは、はくほどに身近な存在になる。その喜びはデニムの王道。 ただし、デニムの“裏の顔”とも呼ぶべきレザーパッチは姿を消した。 圧倒的な完成度の前ではわずかな主張も蛇足となる。お馴染みのバッグ同様に揺るぎなき哲学が潜む。
裏側にハイライトを宿す「ベルルッティ」のストレートデニム
スクリットモチーフをちりばめたメタリックなロングコート。いたって大胆な相棒に負けない存在感が、このブルーデニムには存在する。 脚のラインを上品に見せるストレートシルエットもさることながら、真のハイライトは裏側に。 ブランドを象徴する優雅なスクリットが裏地にくまなくプリントされ、見る者を独創的世界観に誘う。ロールアップは臆せず、が正解。 無造作に、それでいて優雅に。いい大人のカジュアルスタイル、かくあるべし。
細部までグッドセンスな「ジル サンダー」のリジッドデニム
タイムレスなスタンダードウェアを提案するコレクション「ワードローブ」。その中核として今季もデニムが健在であることが、まず何よりうれしい。 艶やかで品のある表情を纏った、きめ細かなリジッド。日本製のセルビッジデニムはメイヤー夫妻の魔法にかかり、魅惑のデイリーウェアへと生まれ変わる。 緻密なカッティング、目にも身体にも優しいルーズシルエット、シームに利かせた絶妙なツイスト。曇りなきグッドセンス、肌身で感じて。
クラフツマンシップ薫る「ロエベ」のヴィンテージ風デニム
ウォッシュ、ブリーチ、オーバーダイ。幾重にも繰り返された加工でブランドのクラフツマンシップを代弁するデニムは、リアルヴィンテージに負けない半永久的価値を宿す。 美しいブルートーンばかりか、ディテールも圧巻。エンボス加工を施したメイド・イン・ジャパンのレザーパッチを備え、折り返した裾から覗くセルビッジには「LOEWE 1846」の文字が。 一見フツウ、でもトクベツなデイリーウェア。これから先もずっと、愛さずにいられない。 E-WAX=写真 菊池陽之介=スタイリング 松本和也(W)=ヘアメイク 増山直樹=文
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