初期のR4はボディの金属面がそのままダッシュパネルを形成していたが、GTLでは樹脂製のハチマル風スタイルに変更。この個体には伊Diavia社製純正クーラーが装備されている。

オシャレなフランス製小型車最右翼として、日本でも高い人気を誇ったルノー4。合理主義のフランスらしく実用性を徹底追及する設計思想は、30年以上もの長きに亘りフランス大衆の生活ツールとして愛用され続ける、重要なファクターとなった。 【画像16枚】リアシートを倒せば、商用バンに匹敵する広大なラゲッジスペースが現れる。また秀逸なトーションバー式サスのおかげで、荷室は完全にフラット 【1990年式 ルノー4 GTL】 そしてR4GTLとして92年12月をもって生産を終えるまでのシリーズ総生産台数は約835万台。累計生産台数ではVWビートル、およびT型フォードに次ぐ世界第3位の生産台数を記録したことから、世界で初めて商業的成功を収めたハッチバック量販車とされているのである。 シトロエンの歴史的名作2CVの影響を強く受けたとされているルノー4。ともに超ロングセラーとしてほとんど同時代を生き、今なおしばしば対比されるのだが、実はその乗り味については大きく異なるものである。 主要諸元/SPECIFICATIONS 1990年式 ルノー4 GTL ●年式 1990 ●全長×全幅×全高（mm） 3690×1510×1530 ●ホイールベース（mm） 2443/2395（右/左） ●トレッド（mm） 1280/1245（前/後） ●車両重量（kg） 700 ●エンジン種類 水冷直列4気筒OHV ●総排気量（cc） 1108 ●内径×行程（mm） 70.0×72.0 ●圧縮比 9.5：1 ●最高出力（ps/rpm） 34／4000 ●最大トルク（kg-m/rpm） 7.5／2500 ●サスペンション 前ダブル・ウィッシュボーン縦置トーションバー 後トレーリングアーム横置トーションバー ●ブレーキ 前ディスク/後ドラム ●タイヤサイズ 前後とも145SR13H ●新車時価格 140万円 初出：ハチマルヒーロー2017年7月号 vol.42 （記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです）