藤川監督のユニホームが飾られる前でポーズを取る伊原（左）と今朝丸（撮影・中田匡峻）

　今秋ドラフトで指名された阪神の新人９選手が８日、甲子園球場を訪れた。室内練習場でトレーニング指導を受けて、鳴尾浜や尼崎市内で建設が進む新２軍球場などの球団施設に、甲子園歴史館を見学。ドラフト２位・今朝丸裕喜投手（１８）＝報徳学園＝はプレミア１２で才木浩人投手が使用したユニホームを興味深そうに見つめて、“才木ロード”を進む決意を固めた。 　猛虎史を彩る数々の展示物の中でも、自然と目を奪われた。甲子園歴史館を訪れた今朝丸の視線の先には、自身と同じ高卒入団から侍ＪＡＰＡＮへと駆け上がった才木のユニホームとスパイク。高身長から投げ下ろす共通点もあるが、「自分も早く飾られるような選手になりたいと思います」と虎のエースを担う近未来を思い浮かべた。 　資質は十分に兼ね備える。トレーニング指導を担当した仲野トレーナーからは、「この先楽しみ。才木を思い浮かべさせる体つきというんですかね。“才木２世”でいいんじゃないですか」と太鼓判。才木は入団時から抜群の柔軟性を誇ったが、プロで戦う体作りへ「柔らかいかと言われると、まだ課題はある。筋力という部分ではこれから」と指摘した。 　同期唯一の高卒で最年少となる今朝丸は、「みんなと話はしました。伊原さんも含め、みんないい先輩ですね」と新たな仲間との出会いを喜んだ。尼崎・大物に完成間近の新たな寮も見学。新生活に向けてお気に入りポイントを、「お風呂ですね。サウナとかもついてるので」と挙げた。 　未知なる可能性を秘める２年連続センバツ準Ｖ右腕。激闘の記憶が刻まれる甲子園に、プロとしての“凱旋（がいせん）”となったが、「そこ（心境）はまだ変わっていないです。いつも通り」と浮かれることはなかった。泰然自若なたたずまいに、スターの予感が漂っていた。