中国人観光客の「爆買い」ピークは春節よりも夏休み? 進む消費の多様化
「爆買い」主軸路線は維持も多様化へ
日本でいま話題の化粧品や日用品を主軸とする爆買い路線は、ほぼ全ての訪日旅行客に共通する傾向である一方で、中国の若者の話を聞いていると、日本への興味が実に多様化しているのがわかります。 たとえばエンターテイメントでは、インターネットで情報が得られるようになったいまでも、海外のアーティストのライブ公演などはまだまだ規制が厳しい大陸です。ある20代の女性は、今年の日本旅行でフジロックなどの音楽フェスに参加するのをとても楽しみにしています。 コト消費の価値を考えた際、現在の中国大陸では絶対に体験できないイベントの一つとして、欧米など海外の有名アーティストが勢揃いする日本の音楽フェスは非常に注目されていくでしょう。また、日本人でも流行に敏感な人しか知らないような東京の最新ショップ情報を知っている中国人もいますし、日本各地のすばらしい伝統工芸職人のインタビューがライフスタイル系雑誌で紹介されることも珍しくありません。 政治情勢の変化などにより状況が一変してしまう可能性は多々ありますが、現地の消費者の声を聞く限り、中国からの訪日旅行客が急に減少するという事態は考えにくく、またその目的はより深化すると考えると、大衆消費財以外のあらゆる可能性において爆買いを意識することは重要であると言えるでしょう。 (稼農慧<かのう・けい> 上海在住ライター)