中国人観光客の「爆買い」ピークは春節よりも夏休み? 進む消費の多様化
日本食で一番注目されているのはラーメン
外国人に人気の日本食といえば、寿司や刺身、ラーメンがあります。とくに中国人が一番気になっているのはラーメンです。そもそも中国にもあるラーメンを食べるためにわざわざ日本に行き、行列を作るのはなぜなのでしょうか。 20代の中国人男性によれば「中国のラーメンはあくまで『メシ』であり、日本のラーメンは『料理』」なのだそうです。 中国の一般的なラーメンはスープに入った麺だけをまず注文し、あとから好みの炒め物などのトッピングを追加するスタイルが多く、お腹を満たすことを重要視する傾向にあります。日本のラーメンはていねいに時間をかけて作られたスープと、そのスープに絡む太さや形状の麺やトッピングという、すべてが計算し尽くされた一品料理として仕上がっている点が違うようです。
「コト消費」や富裕層男性の「爆買い」にも要注目
今年に入ってからは「モノ消費」から体験型の「コト消費」へのシフトも話題になっていました。今後の爆買いの動向について、日本在住で、WeChatというSNSなどで日本情報を14年から配信する人気のメディア「日本窓」の代表取締役である蘇海増(そ・かいぞう、1981年生まれ)さんに聞いてみました。 「今年に入ってリピーター層の旅行客が目立ちました。彼らはもう炊飯器や温水便座のような大きな商品は購入しません。しかも、以前よりも日本に関する深い情報やお店の情報を得て、本当に価値のある日本ならではの製品やサービスを求めています。また、日本各地でも中国人爆買いの争奪戦が動き始めていますし、中国の航空会社との提携などチャネルが多様化しており、美容、健康、教育、文化、ウェディングなどの体験型消費も活発です。ウェディングに関しては、軽井沢や北海道、沖縄の離島などで結婚式や撮影を行うサービスがあります。今後、富裕層の男性消費者の増加が予測され、たとえば日本産ウィスキーやゴルフ用品、釣り具などが注目されています。ちなみに、次の爆買い時期は花見と紅葉狩りの季節になるでしょう」 これまでは女性消費者の爆買いが目立っていましたが、今後は男性消費者がどのような爆買いを展開するのか、新しい動向として要注目です。