関経連・松本会長、8年超の〝長期政権〟に 5月以降も続投 後任の人材選び焦点
関西経済連合会の松本正義会長が、現在の4期目の任期が終了する5月以降も続投することを表明した。関西経済の成長に向けて2025年大阪・関西万博を成功させるとの信念があり、続投を求める副会長らの総意も受けて決断した。財界は松本氏の強いリーダーシップに引き続き期待する声があがるが、8年超の「長期政権」となり、後任問題も今後の焦点となる。 「会長として関西、日本のために微力ながら力になりたいとの決意を固めた」。7日、副会長らも顔をそろえた年頭会見で松本氏はこう語り、続投する考えを発表した。 松本氏の関経連会長の足跡は、常に万博とともにあった。就任後、博覧会国際事務局のあるパリに何度も足を運び、「トップセールス」で誘致活動を展開。18年11月に大阪開催を勝ち取ると、経済界の資金集めや入場券販売を推し進めた。 関西経済の低迷が続く中、万博開催が復活の起爆剤になるとの強い思いがあるためで、この日の会見でも、「関西の企業が国際協業のチャンスをつかむきっかけとなり、大きな刺激を受ける1年となる」と強調した。 万博閉幕後の会長職については、「まずは万博を成功させる。任期2年をどうするか、副会長と相談しながら決めていけばいい」と語った。 一方、松本氏が続投を表明したことに関し、ある副会長は「関西財界にさまざまなな〝嵐〟が吹いている。松本さんのような豪傑がドーンと座っていてくれないと苦しい」と明かした。 関経連会長は副会長から昇格するのが通例だが、副会長の多くは70代以上と高齢であり、松本氏の後任として強力なリーダーシップを発揮できそうな人材が見当たらないとの指摘もある。 副会長の一人は「後任の人材育成は当然しないといけないが、次期会長をどうするかは松本氏に考えてもらうしかない」と話し、困ったような表情を浮かべていた。(井上浩平)