全米9州で大麻合法化を問う住民投票、うち8州で賛成多数に
ドナルド・トランプ氏が勝利した11月8日の米大統領選挙。実は同じ日に全米の9つの州で大麻合法化を問う住民投票が行われた。1996年に医療目的での大麻使用・栽培が合法化されたカリフォルニア州では、嗜好用大麻の使用をめぐって住民投票が行われ、結果は賛成多数となっている。喫煙者が減り続けるアメリカで、大麻の合法化に賛成する国民の数は増え続けている。多くは医療目的に限定されているとはいえ、すでに半数以上の州で大麻が合法化されたアメリカ。アメリカ社会の大麻との向き合い方が大きく変わろうとしている。 【写真】高樹沙耶容疑者逮捕、彼女が訴えていた医療用大麻ってどういうもの?
これまでと合わせて全米28州で合法化
大統領選挙が行われた8日、大麻の合法化を問う住民投票が9州で実施された。カリフォルニア、アリゾナ、メーン、マサチューセッツ、ネバダの5州では21歳以上であれば、嗜好品として少量の大麻を所持・使用することの是非が住民の投票で問われ、アーカンソー、フロリダ、モンタナ、ノースダコタの4州でも医療目的での大麻使用を合法化すべきかどうかの投票が行われた。計9州で行われた住民投票では、アリゾナを除く8州で賛成が上回る結果となり、これまでと合わせて全米28州と首都ワシントンで、医療もしくは嗜好目的での(それら両方も含む)大麻栽培や使用が合法化されることになった。大麻が合法とみなされる州や特別区は一気に全体の過半数を突破した。 大麻合法化の流れはアメリカだけの話ではない。大麻の使用や栽培は南米ウルグアイでも国レベルで2013年12月に合法化されている。 この法律ではマリファナの生産・販売・使用に関して細かなルールが定められており、18歳以上のウルグアイ国民であれば、1人につき6株まで消費目的での大麻の栽培が認められる。また、国からの許可を得られれば、団体として大麻を栽培・販売することも可能だ。栽培や購入を行う前に国への登録義務があり、登録者の生産量や消費量は全てデータベースで管理される。未成年への販売は原則禁止とされ、アルコール同様に運転中の大麻使用は認められていない。人口330万人ほどの小国ウルグアイでは団体による大麻栽培の例はまだ報告されておらず、現在は約3000人の個人栽培者が国のデータベースに登録されている。