「ポケモン×工芸展-美とわざの大発見-」に参加! 東京会場で初公開の新作やイベントを満喫してきた
展覧会の最後を飾るのは、華やかな文様が描かれた植葉香澄氏の陶芸作品だ。植葉氏は、日本古来の伝統文様を巧みに使い、ポケモンたちの特性と物語性を表現する。例えば、ゲーム『ポケットモンスター ソード・シールド』に登場する、サルノリ、ヒバニー、メッソンの3匹。くさタイプのサルノリには植物の花や葉の形を描く「唐草文」、ほのおタイプのヒバニーには燃え上がる炎をかたどった「火炎文」、みずタイプのメッソンには渦や波紋を表す「水文」が施されている。 そして、東京会場から新たに加わった、《蔦唐草文ジュペッタ》と《蒼炎文ヒトモシ》も、作品タイトル通り文様が描かれている。ジュペッタは、捨てられたぬいぐるみに怨念が宿ることで生まれたゴーストタイプのポケモンだ。植葉氏が制作したジュペッタを眺めていると、暗い闇夜に鬱蒼と生い茂る蔓草の間から、赤い瞳でじっとこちらを見ているような哀愁を感じた。 ろうそくポケモンであるヒトモシは、ゴーストとほのうの2タイプを併せ持つ。「人やポケモンの生命力を吸い取ると炎が煌めく」というヒトモシの特性が、蒼い炎の文様で見事に表現されている。同じ「炎」でも、植葉氏が手がけたヒバニー、グラードン、ヒトモシには、それぞれ違った文様が描かれているので、ぜひその印象の違いも楽しんでほしい。
■俳優の本郷奏多さんが登壇! ポケモン愛に満ちたオープニングセレモニー 内覧会のオープニングセレモニーには、大のポケモン好きとして知られる俳優の本郷奏多さんが登壇し、東京会場の開幕を盛り上げた。事前に説明を受けながら会場内を見て回った本郷さんは、展覧会の印象を訊ねられ、「工芸作品と聞くと、歴史が深く難解なイメージがあったが、大好きなポケモンと組み合わさることで、とても楽しく鑑賞できました」と答える。 数ある作品のなかでも本郷さんが特に気になったのは、池田晃将氏の作品だ。螺鈿(らでん)と呼ばれる貝殻を使った装飾法の緻密さには、普段からプラモデル作りを嗜む本郷さんも驚きだったようだ。東京会場の会期中には、池田氏の作品《せきひのかけら》がオンライン抽選販売されると知り、「ぜひ応募したいですね」と熱烈なポケモンファンとしての一面を覗かせた。 また、この展覧会をきっかけに工芸に興味が湧いたと話す本郷さん。今後はひとつの趣味として陶芸などを楽しみ、その様子を自身のYouTubeチャンネルで発信できたら、と展望を語った。 そして、最後の挨拶では、これから展覧会を訪れる方々に向け、「作家の皆さんのこだわりと想いが込められた作品は、どれもずっと見ていられるくらい夢中になれます。大満足のボリューム感で、想像を超えた感動がありました。ぜひ展覧会を通して、ポケモンと工芸のどちらも好きになってもらえたらとうれしいです」とメッセージを送った。