米国防副長官に資産家のファインバーグ氏、トランプ氏が指名
(ブルームバーグ): トランプ次期米大統領は22日、国防総省のナンバー2に億万長者で投資家のスティーブン・ファインバーグ氏を起用すると発表した。国防長官に指名したピート・ヘグセス氏を、ビジネス経験や新技術の導入に重点を置く側近らでバックアップする動きの一環だ。
国防副長官に起用されるファインバーグ氏は米プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社サーベラス・キャピタル・マネジメントの共同創業者で過半数株式を所有。ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、同氏の純資産は約77億ドル(約1兆2000億円)。
サーベラスは防衛技術企業に多額の投資を行っている。上院で承認されれば、ファインバーグ氏は、国防総省および関連企業の実務管理に重点的に取り組んできた職務に就くことになる。
国防総省での長官側近らの役割は、次期政権において非常に重要な意味を持つ。予算規模が8400億ドルを超える複雑な官僚機構のトップにヘグセス氏をトランプ氏が指名したことを巡っては、マネジメント経験不足などを理由とする反発の声もある。
さらに、元FOXニュース司会者で、イラクとアフガニスタンで州兵として従軍した経験を持つヘグセス氏は、自身が率いた二つの退役軍人団体の管理不行き届きやセクハラ、アルコール依存症といった疑惑もあるが、否定している。上院による指名承認は依然として不透明な状況だ。
トランプ氏は国防副長官人事と共に、対中強硬派のエルブリッジ・コルビー氏を国防次官(政策担当)に起用することなども明らかにした。コルビー氏は第1次トランプ政権で国防次官補代理を務めた。米国は「世界の警察官」としての役割を終えるとするトランプ氏のビジョンを擁護し、米国が中国の戦略的脅威に集中できるよう、同盟国への防衛支出増額要請を支持している。
原題:Trump Pick of Billionaire Feinberg for Pentagon Bolsters Hegseth(抜粋)