「業務スーパー」は最大で月20万円支給 ユニクロなども進める「返済不要」の留学支援
学費以外にも奨学金を活用
奨学金情報サイト「ガクシー」の中では、期間限定で気軽に応募できる給付型奨学金もたくさんあります。例えば、エンタメベンチャーでオリジナルの縦読み漫画を制作・配信しているソラジマは、出版業界を志す学生50人に、1万円の書籍代を奨学金として給付する「出版社就活応援給付金」を設立しました。選考は200文字程度の課題文のみで、学業成績や所得の条件はありません。 他にも整体サロンなどを運営するファクトリージャパングループも、カラダファクトリー健康奨学金として1万円を支給していました。ストレッチなど同社が提供するサービスも受けられます。 生活用品を支給する新しいタイプとしては、大王製紙は、お金ではなく、自社の生理用ナプキンを1年間支給する「奨学ナプキン」制度を行っています。 「若い世代に企業や製品を知ってもらう広報やブランディングの機会として、気軽にもらえる奨学金を活用する企業も増えています。採用活動の一環として位置づけている企業もあります。その企業に就職を希望する学生にとっては、奨学金を利用しつつ、応募時の課題文などで自身をアピールする機会にもなります」(同) 一方、奨学金の利用者は多様化しています。 「お金にすごく困っている人ももちろんいますが、そういう人ばかりではありません。特に2~3年生で奨学金を利用する人の目的の多くは、学費よりも生活費です。部活や就活、インターンなどで忙しく、アルバイトに時間を取られたくないから、奨学金で補いたいという学生が増えています。生活必需品やサービス提供で支給される奨学金も、もらうことができれば出費を抑えることができますから」(同)
奨学金利用者の8割が貸与型
さまざまなタイプの給付型奨学金が登場し、給付を受けられる学生の幅は広がっていますが、ガクシーが全国の学生と保護者1100人を対象に行った「奨学金に関する実態調査2023年」では、奨学金利用者の8割が貸与型を受給し、給付型は3割にとどまっていました(複数回答のため合計が10割を超える)。 さらに全体の約半数が「奨学金は借金なので怖い」と回答し、奨学金を受給したことのない学生ではこの回答が約7割にのぼり、奨学金にネガティブな印象を持っていました。さらに受給したことのない学生の8割以上が、「奨学金は借りるもの」という認識をしていることもわかりました。