怒りは不安から生まれる...ネガティブ感情の根本にある「幼少期の満たされない願い」
ネガティブな感情は無理せず迎えに行こう
ネガティブな感情。これは第0感情が叶わなかったことによって、ただ拗ねて生まれたものにすぎません。悪者でもなんでもないのです。だから積極的に迎えにいき、吐き出してあげてください。 では、ネガティブな感情を吐き出すとは一体どういうことなのでしょうか。 これは、ネガティブ感情が自分の中に出てきたら「積極的に感じていく」ということです。不安を感じたら「不安だ!」と声に出していきましょう。 たとえばこう。「彼から連絡が来ないのが不安でしょうがない。嫌われちゃったかな、変なこと言ったかなとか、あれこれ考えすぎちゃう。なんにも起きていないのに勝手に余計なことばかりを考えてしまうよ~」とか。 ネガティブを感じすぎたらネガティブに呑み込まれて余計に辛くなっちゃうんじゃない? と感じるかもしれませんが、実はネガティブな感情は積極的に感じてあげることで小さくなっていくことがわかっています。
クモ恐怖症の人たちがこうなった
カリフォルニア大学ロサンゼルス校の3人の心理学者がこんな実験をしました。 被験者はクモ恐怖症の人たちです。研究チームは被験者を3つのチームに分け、それぞれのチームの前にクモを置いて、こんな対応をしました。 ①クモが無害であることを説明する(楽観的思考) ②クモへの関心をそらす質問をする(経験の回避) ③今感じている気持ちを言語化するように指導(感情のラベリング) ③のチームの「感情のラベリング」とは感じている感情を言語化してあげるということ。積極的に「クモが怖いって感じていいよ」と言語化を促してあげたのです。結果はどうなったと思いますか? ①「楽観的思考」で無理やりポジティブに考えようとしたチームと、②「経験の回避」でクモを見て見ぬふりしたチームは不安が悪化。③「感情のラベリング」でネガティブを迎えにいったチームだけが不安が減少したのです。 「感情を抑制することがよりよい決断につながるというのは、間違いだ」とは、リスボン大学の神経学者・ダマシオの言葉。ネガティブは感じることで、小さくしてあげられるのです。 ネガティブはオールオッケー。ちゃんと感じて、ちゃんと吐き出してあげればいいのです。よく生きるために「自己承認」も大切です。自己承認とはあなたのどんな感情も悪者扱いせずに、認めてあげるということ。認めて、吐き出してあげただけ、あなたという気球は軽くなり、高く空に登っていけるのです。
池田由芽(心理カウンセラー)